グラウンドには早く行く

帰るの一番あと

高嶋仁さん。智辯和歌山高校野球部元監督。春夏通算38回の甲子園出場の名監督です。
100回の夏、91回の春の歴史を誇る甲子園大会において、誰よりも多く勝利を収めたのが、智辯和歌山高校・髙嶋仁(たかしま ひとし)さんです。(現・名誉監督)。 智辯学園、智辯和歌山を率い、春夏の甲子園出場38回、通算勝利68勝はいずれも歴代最多。 古希を迎えてもなおグラウンドに立ち続け、2018年夏を最後に惜しまれつつ勇退した高校野球界きっての名将です。


リーダーになる人の、姿勢やと思うんですけどね
グラウンドには早く行く
帰るのは一番あと
汚いところはちゃんと自分で掃除してやる
掃除区域って
選手の中で決まってるんです
汚いところは上級生がやる
トイレとか
やっぱり三年生にもなると
確かに掃除しとるんですよ
しかし
水、撒いとるだけですやん
きれいにやってないですね
それを僕は
朝学校行くと
まず、そのトイレに行くんですね

汚かったらピカピカに磨く
わかりますよ、誰がやったか
僕は何も言いませんよ
ヤバいってなるんですよ
それはもう
何十年とやってきました
いつも学校行くのは一番
家出るのは五時半
家帰るのは
だいたい早くて十時半
遅い時で十一時半
この繰り返し
それを、ずーっと何十年もやってきました
例えば、名古屋とか行く
三時間半ほどかかる
マイクロバスで
ダブルヘッダー(二試合)するわけ
負けたら帰ってきて練習
そうすると、練習開始が
十時半とか、十一時になる
電車とかない
マイクロバスで
全員、一人ずつ、送り届ける
で、僕が家帰ったら四時くらい
もう、五時半には出てきます
でも、そういうのをやってたら
選手って、わかるんですよ
この監督はこんな人やな
というのがわかるわけですよ
やっぱり、信用してくれるんです
だから少ない人数で
そんな飛び抜けた選手もおらんのに
甲子園に38回も
連れて行ってくれるんですよ
これは
僕が行ったんじゃないんです
選手が僕を連れて行ってくれたんです


リーダーになる人の
姿勢やと思うんですけどね
グラウンドには早く行く
帰るの一番あと
汚いところはちゃんと自分で掃除してやる
この繰り返し
何十年も、ずーっとやってきました

本日、2025年8月5日(火)、夏の甲子園、開幕。

以上