和して同せず

みんなで仲良く
写真の真ん中は長谷川町子さんで、サザエさんの作者です。実直な、実業家っぽい家系ですね。波平さんの髪もふさふさしてます。
「愛和」の実践
職場の社員同士が「おかげさま」の心で、わがままを先に出さず、愛和(仲良く)の精神が職場に充ちていれば、おのずから事業は進展します。職場和合の真髄を体得することによって天の愛和を実践することができる。
(1)純粋の条件付きでない「愛和」について
「和を以て貴しとなす」、聖徳太子の御言葉にはじまり、古代日本人は「和」を尊んできた。それは日本人の精神の根本であり、文化の源泉である。人と人とが融和し、仲良く共存していくための指針である。
しかるに現代社会においては「和」の精神は色あせ、かえって「我(エゴ)」の精神が横行している。人と人とが本当に融和し、互いに信頼し尊敬し合い、ともに幸福を築くためには、「和」の原点に立ち返る必要がある。近代人権思想の過剰なインフレが、かかる残念な世相や風潮、時流に拍車をかけている。
「和」を実現するためには、何よりもまず「愛」が基盤でなければならない。愛は父母の愛、夫婦の愛、家族の愛、友情の愛、社会の愛、国家の愛、すべての愛の根源である。
愛は社会秩序の基礎であり、愛の精神に徹するとき和が生まれる。和のないところに平和はなく、そしてこの愛和こそ、職場の円満発展の基盤であるといえる。その本質は、結びつけることにある。ゆい、とか結び、とかいう日本の昔ながら言われてきた教えである。和することである。
愛和の実践は、家庭においても、職場においても、社会においても同じである。職場においては互いに尊重し合い、理解し合い、協力し合うとき、すべての人々の心の底からそれぞれの仕事への喜びが湧き上がってくる。
(2)仕事を愛するということ
職業や仕事に貴賤の別はない。それぞれの日々の仕事を愛しているか。自分の職場を一生の職場と考えているか。真に働く人を愛しているか否かは、仕事にどれだけ心を込めているかに現れる。報酬もまちまちであるが、同じく貴賤の別はない。
自分のしている仕事を心から喜んでやれる人は、どんなに困難な仕事であっても、そこに光を見出すことができる。生きることができる。
このような、大切な仕事をないがしろにして軽んじる者は、せっかく恵まれた職場、大切に守られた環境にいながら、その仕事の意義を知らず、みすみす幸せを失っている。
誠実に仕事に励むとき、そこに無限の喜びと感謝の念が湧き、すべてに対する愛が育ってくる。仕事に自らを合わせていくのである。和するということである。相手は自分の鑑であり、先に鏡が笑うことはない。
(3)挨拶の実践
職場内の結び力を強くする日常の取り組みとして挨拶の実践があげられる。単なる社交辞令でなく、心のこもった誠実な挨拶は、職場和合に直結した効果を生む。その実践がどれくらいのレベルにあるかで、職場発展の指標をはかることになり得るだろう。
挨拶を交わすことで、人と人との心が結びつけられる。まずは職場、そして家庭、さらに地域社会にまでその波及効果は広がっていく。
「おはようございます」「ありがとうございます」「おかげさまで」――こうした言葉の中に和の種子が宿る。
(4)和合の秘訣
仲良きことは美しきことにすべて通じる。争わず一切が調和する「愛」は、強く、限りなく、よく西洋において喧伝される。そして我が国における「和」は、万象を結合させる宇宙の大法則である。職場の次なる発展も愛和にある。人と人とが愛和をもって接するとき、そこに無限の可能性が広がる。
「愛和」とは単に人間関係の調和ではなく、宇宙根源の理法にかなった生活である。愛和をもって働く職場は、仕事の生産性も向上し、そこに働く人々の幸福が増進される。
今後改訂加筆を予定。
以上

