「業者だから」待たせてはならない
『業者だから待たせてもいい』
年上の大手企業の管理職の方と打ち合わせ
元々「13時半から会社に来客があるので、13時には退席する」と言っていたのに、既に13時を超えた
「そろそろ行かれた方が良いのでは?」と聞いたところ、冒頭の発言
黙っておれず、
「相手が誰であれ約束は約束。相手の立場によって約束を守らないのは良くない。逆の立場だったらどう思うのですか?」
と詰めたところ、相手は言う
「自分は今後絶対に業者の立場になることはない。ただ、もし仮に自分が業者なら、仕事を頂く立場なのだから、多少待たされるぐらいは仕方がないとあきらめる。仕事をお願いしている立場なのだから、それぐらいは受け入れないといけない。」
立派な持論である
しかしバカらしい、不毛なやり取りだ
こんな相手とは、もう二度と会うことはないだろう
お金を払う先だからと相手を軽んじるのは違う
何もないのにお金を頂いている訳ではない
相手は相応の商品やサービスを提供し、その対価としてこちらがお金を払っている
だから、その関係に上下や主従はない
立場などという小さい枠組みや役割、小学校でいえば係のようなものではなく、人対人の付き合いとして、相手を尊重し、誠意を持って接していけば、必ず良い輪が広がっていく
筆者は昔から、一般関係にまみれて飛び込み営業販売して、お客様がお客様をどんどん紹介して下さるというのを実感しているから断言できる
仕事や営業だけではない
人との繋がりは本当に大事だと思った出来事は多々ある
会社に出入りしている宅急便のお兄ちゃんが他に荷物を運んでいる会社の方々をお客様として紹介してくれた
いつも挨拶と軽い世間話を交わすビルの清掃のおばちゃんが、親戚の会社をクライアント候補として紹介してくれた
日取りのミスで参加申し込みがかなり少なくなってしまった講演会、講師は参加者数にこだわる人なので、動員にかなり困っていたら、当日、会場となるホテルの従業員約10名が制服からスーツに着替え、参加者として加わってくれた
タクシーの運転手さんが自社の管理職に繋いでくれた
ホームセンターの社長が、ホームセンター店舗全部を回って必要な修繕工事を洗い上げるという仕事で、無料で店舗に出入りさせてくれた
こんなのはあくまで一例
ご縁はどこにでもある
誰にでもある
そのご縁がどう発展するか、自分の考え方次第だと思う
目の前の人が、大切な縁で繋がっていると感じられれば、自然と背筋が伸びるもの
謙虚になるもの
偉い人ほど、物腰は丁寧で、時間に遅れないものだ
かつて銀行の営業だったころ、取引先の社長との待ち合わせに数分遅れた
社長は、私も今来たところですよと言った
全くの嘘である
25年近く経っても、あの言葉は忘れない
以上