そのまま車を掃除できる指が長い手袋
薬指と小指の2本が中指より5センチも長い作業用の手袋を、愛知県西尾市の手袋メーカー「石川メリヤス」が新発売しました。
オンラインショップでも買えます。
洗車のときにホイールを磨くための手袋で、長い部分を親指と人さし指でつまみ、雑巾代わりに使う。コロナ下で開いた研修で、社員が出したアイデアから誕生した製品です。
丈夫なアクリル素材を編み上げ、どっしりとした手触りの「ホイール磨き用手袋」。分厚く編み上げられていて、洗車のときに指を保護する機能も備えます。手袋のまま洗剤をつけ、指でホイールを洗えます。力を入れて磨きやすく、細かいところまで指が届き、長い部分を隙間に通して裏側まで洗えます。
つまり、掃除道具が手袋ひとつ、というのが魅力なのです。
「愛車を手洗い洗車しているからこそ出てきたアイデア。手にフィットした手袋を理想と考えてきたので、2本の指を長くするという逆転の発想は斬新だった」と石川メリヤスの大宮裕美社長(44)。
2021年12月10日に発売したばかりの新製品は、約20人の社員全員が参加した2021年6月の会社の研修で生まれたそうです。
取引先の工場やトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)などを見学する研修旅行をしていたが、コロナ禍で昨年は中止になったため、今年は新たな取り組みとして、社員一人ひとりが「自分専用の手袋」をつくって発表する研修を思いついたそうです。
同社の主力製品は作業用手袋です。それも、自動車メーカー各社の工場で、鉄板で手を切らないよう保護する丈夫な製品を得意にしています。
ふだんは、糸の選定や原価計算を含む「企画」、商品特性に合った編み機操作をする「編み立て」、ミシンを使った縫製や検品などをする「仕上げ」など、それぞれの専門チームで仕事をしている。研修では、一連の流れを一人でこなすことにした結果、冒頭の新製品が考え出されたというわけです。
あくまでも研修と考えていた大宮社長でしたが、この製品の予想以上の完成度の高さに、「ホイール磨き用手袋」と「車内拭き手袋」の二つを製品化することにしたというわけです。
筆者のような、ものぐさな人間にとって、手袋がそのまま清掃用具になるのは願ったりです。本当に汚れるまで丁寧に使って正しく処分する。これぞエコだと思います。
筆者も早速車の中ではなく、職場の机周りのホコリ取りに、台所のシンクやテーブルふきに、アルコールを染み込ませて使うことを考えついて数点買い求めました。
SDGsなどという新語が嫌いな筆者からは以上です。