滑走路まで出た飛行機が機体の整備不良が発覚し引き返して欠航になったという経験をしました(全日空国内線)
おはようございます。
2019年4月の平成最後の国内出張に関するビルメン王(@shinya_ueda)提供の緊急ブログ配信記事です。
朝、福岡空港発で日帰りの東京出張を予定しておりました。
そして、滑走路まで出た飛行機が機体の整備不良が発覚し、引き返して機内待機した挙句、やっぱり本格的な整備をしないといけないということで欠航となり、ようやく機体から出られたという状況でこれを書いています。
当初から、何となく不安があるフライトでした。
機体の点検か機材の遅れからか、当初離陸時刻を15分遅らせるというアナウンスでした。
出先のアポイント先さまへは、メールやSNSで「ぎりぎりの到着になる」旨連絡して機内に乗り込み、滑走路での離陸の順番を待っているという状況の中、動き出して30分経過しても一向に離陸しません。
すると、怪しげなピンポン音とともに、機長のアナウンスが流れます。
曰く、機体の冷房系統の点検を行なっております、これは油圧系統にもつながっているので、念のための検査に時間がかかっております。
…。
機内の空気が一変しました。
ちょっと、温度が下がったような感じがしました。
こういう場合、心理的影響や負荷をかけないように、できるだけモデレートした言い方をするように、きっと航空会社のマニュアルにはそうなっているのでしょうが、明らかに、ほぼ100%の確率で、この機体は飛ばないなと乗員乗客みな確信したのです。
当該機体は全日本空輸(全日空)のものでしたが、無理して飛んで、御巣鷹山に突っ込むような真似だけはやめてもらいたいですし。
ここは、神様がやめろと言っているのではないかと自分を納得させました。
しかし、筆者のような、日帰り出張で結局同じ日に福岡空港に帰ってくる、というお気軽ビジネス出張者は、先様に起こっていることを丁寧に説明すれば、特に問題なくキャンセルすることをわかってくれます。
当方の事情、例えば寝坊とか遅刻とか、遅参にはそういうリスクがあるのですが、今回のは不可抗力であり、複数のアポイント先もそういうことならと特に問題なく、キャンセルを了承してもらいました。
ちょっとの寄り道で大怪我して(信州上田城合戦)、関ヶ原に遅参してしまった徳川秀忠公の故事に比べれば、はるかに軽いものでしょう。
さて、機内に乗り込んで2時間、いよいよ空港に降り立つことができるようになりました
(同じ空港ですけど)。
新鮮な気持ちです。
空港に降り立つと、機内に乗っていた同志たち200人弱が、振替便やら払い戻しや、はたまた陸上交通手段への代替手段やらで、ごった返しておりました。
私がこうした空港の「混乱」を経験するのは、忘れもしない、あの東日本大震災の地震が起こった2011年3月11日の午後、福岡空港において東京に向かおうとする便に乗り込もうとするところでテレビに揺れや津波の衝撃的な映像が流れてきて、ほどなくほとんどの国内便が欠航になった、あの日以来です。
あの日は、ごった返す空港をとりあえずまろび出て、地下鉄に乗り会社に戻りながら、先行して東京に向かってセミナーなりイベントに出ている「部下」や「後輩たち」と連絡を取り合い、深夜まで会社に詰めて対策本部として、東京にいる人間の安否を確認しました。
そのようなことを考えますと、防災とか危機管理といったところにおける日本人の耐忍性は格段に向上しており、忍耐強く機内で待つ中で、特に騒ぐ人もなく、皆粛々と、すべきことをしているという点に、非常に頼もしいものを感じました。
きっと、これからの少子高齢化の中でも、この国は何とかやっていけるのではないでしょうか。
そんな気もいたしました。
「機体に不具合があるから欠航する」
これは、一見航空会社の失点ですが、無理して整備不良のまま飛ばして取り返しのつかない事故を起こすよりずっとマシな対応であり、現時点で取りうる最良の対応です。
機体もモノですから、どこかで不具合が起こることはあるものです。
それが、たまたま今日であったというところでしょう。
思えば、2時間滑走路および駐機場で乗客を詰めたままにするのは厳しいなというところですが、別に離陸していないのでスマホをいじったり本を読んだり、事態の推移をSNSで友人に知らせたり、それはそれなりな時間の使い方はありましたし、何よりこうして報告することでブログ記事にもなるわけですので、前向きに考えればむしろツイてるのかもしれません。
飛んでしまって、ヒヤヒヤしながら福岡空港に引き返して生きた心地がしなかった、とか、悪くすれば墜落していた「かも」しれないのですから、これで良しといたしましょう。
「失恋したけど長編が書けてラッキー」(ベアトリーチェとの失恋をバネに神曲という話を書いた)と言ったかのゲーテではありませんが、こうした文章が書けることも生きていればこそということで、今回は、いろいろありましたが全て良しということで筆を置きたいと思います。
早速、次の出張の予定が隙間なく入った筆者からの配信記事は以上です。
(2019年4月25日 木曜日)
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