日本はキャッシュレス化が遅れていると言われているがそうではないと考えるその根拠について書いておきます
おはようございます。
2019年2月の、2001年からSuica決済サービスのヘビーユーザーでありますビルメン王こと筆者からの配信記事です。
困難は分割せよ、と申しますが、モノやサービスを購入する際に起こる「決済」という行為について、できるだけスムーズに行きたいと考えているものです。
そうして、2019年2月時点で筆者がたどり着いた一応のキャッシュレス終着点は、電車バスでの乗降時にピッと1秒で乗車下車手続きと引き落としができる、モバイルSuica機能です。
iPhoneに搭載されているモバイルSuica機能を使えば、手に持っているスマホが一瞬にして財布になります。
残念ながら、現時点では2万円がチャージ上限でありまして、高額決済には使えないですし、スマホ自体が壊れたり紛失してしまった場合のモバイルSuicaの保証はされにくいということ、またスマホの電源自体が切れてしまうとモバイルSuicaも認識しない、つまりバスや電車に乗るときに電源がぎりぎりついていても、降りるときに電源が切れてしまうとダメである(筆者はよくこの状態になるので、モバイルチャージャーに差し込んで回復させる手間が生じます)、という不便な点もありますが、それ以外は概ね一瞬で決済が済むことを考えれば、だいたい究極の形になっているものと考えています。
さらに、日本においては、諸外国よりはるかに進んだ銀行等が提供する、「口座引き落とし(デビットカードもこの一種)」や「各種クレジットカード機能」もあることを考えますと、Suicaに代表されるFelica電子マネー決済、口座引き落とし、クレジットカードを駆使すれば、実際のキャッシュレス比率は、実に50%を優に超えるというデータもあるわけです。
アタマプラス(Atama+)という、学習者の習熟度理解度に応じて適切な問題や講義をタブレット上に示すというサービスが最近出てきておりますが、これと同じように、一瞬で求める情報が提示され、非接触型で決済が脊髄反射的に終わるというのは素晴らしいサービスです。
こう考えますと、今更、アプリを立ち上げて決済する金額を「自分で」入力する、という、Suicaに比べてはるかに手間のかかるQRコード決済が、いきなり流行るとは思えないのです。
しかも、もともと参入余地の少ない市場に、各種QRコード事業者が、雨後の筍のように乱立しています。
PayPayやLINEPay、OrigamiPay、楽天Pay、よかPayなどなど、枚挙にいとまがありません。
困難は分割せよ、とは言われますが、これだけ企画が分散されては利用者側としては混乱します。
しかも、各社とも、20%還元だの5%還元だの、最初にマーケットの多くを握ろうと、赤字覚悟の販売促進策に躍起になっていますが、交通系Felicaやクレジットカードがこれだけ普及している中で、今更QRコードに消費者を誘導しようとしても、なかなか難しいのではないかと思っています。
いっそのこと、電源不要の生体認証機能でクラウド側で当人の財布残高を把握するといったサービスに移行したほうが、実用化も早いし市場の支持を得られるのではないでしょうか。
iPhoneも登場より10年を過ぎ、次の世代のウェアラブルガジェットの形を、世界中が模索する時代になりました。
日本市場の、決済という経済活動の最後のラストワンマイルをどういった主体が握るのか、世界中が注目しています。
Suicaが導入された2001年、東京で初めてSuicaカードを買い求めた時の(厳密には、Felicaカードはレンタルであり、チャージ残高を除く500円はデポジット(保証金)でありました)ことをよく覚えております明日から頑張るがモットーの筆者からの論考は以上です。
(2019年2月26日 火曜日)