大学経営
箱根駅伝の大学入学効果
国立大学も独立行政法人になり、受験者を増やすことに力を入れる大学が増えました。私立大学においては、有名大学であろうが、難関大学であろうが、入試対策は少子化の現在、各大学にとって必須とも言える課題です。
そんな中で、受験生を増やすための対策として駅伝が注目されるようになってきました。駅伝と言えば、青学が有名ですね。駒澤大学も駅伝が強いのだけれど、やはり箱根のインパクトは、他の2つの大学駅伝に比べてダンゼン強いですね。お正月に開催されることもあり、視聴率は圧倒的です。
青学は今や駅伝の名門と言っていいでしょう。若い人は、知らないかもしれないけれど、20年くらい前までは「青学が駅伝?」というイメージでしたよね。
原監督の努力はもちろんですが、駅伝を強化しようとした大学の英断ですね。あれよあれよという間に、どんどん強くなり、今や常連校どころか、常勝大学です。そしてサザン。青学といえば箱根とサザン?あと立地が最高。
なんで、青山学院大学レベルの大学が、そんなに駅伝に力をいれるのか?
以前は、その理由がよくわかりませんでした。歴史もあり、知名度も高く、私立大学の中では早慶に続くトップクラスの難関大学です。今さら駅伝で知名度をあげる必要があるのかな?と思っていたのです。
青学レベルの大学が駅伝に力を入れて何の得があるのだろう?
理解できませんでした。知り合いのお嬢さんが少し前に青学を卒業されたので、話を聞いてみると「箱根駅伝で優勝した翌年は、入試当日渋谷駅から青学に向かう人が大群になっていた」とのこと。受験生が増えたのです。
「高校生からすると、自分が駅伝と無関係でも、大学名を度々聞いていたら、受験してみようと思うのか」と意外に感じたものです。近年は、文科省の方針で定員の厳格化があり、倍率がやや低くなっているようではありますが。
20年前に比べて偏差値は、青学のどの学部もあがっているとは言え、いわゆるMARCH(マーチ)の他大学も、ほとんどの学部の偏差値があがっているので、駅伝効果とは言いづらいのです。
駅伝効果を表すデータが何かないか?と調べていると、面白いデータがありました。ダブル合格した場合に、どちらの大学に入学したかというものです。
下の表を見ると、一目瞭然ですが、6年前でも立教と青学に両方合格すると、少し前までは立教に入学する人が、6割を越えていました。立教と青学に両方合格したら、立教を選ぶ人が多かったのです。
30年くらい前までは、中央の法学部を除き、マーチの中では立教がトップ校でした。中央の法学部は、都心から郊外に移転して、偏差値が下がってしまいました。都心回帰したので、早くも偏差値が上昇傾向のようです。
実際、知り合いに聞いた話ですが、「高校時代、指定校推薦で立教と青学があったけど、選べるなら立教に行きたかった」と言っていました。
ところが、わずか3年後の2021年には、64%が青学を選ぶという驚きの結果になっています。その後、立教が戻して、2024年は、ほぼ半々となっています。
しかし、わずか数年で10%も改善するのは容易ではありません。おそらく青学の成功を見て、立教も駅伝に力を入れ始めたのだろうと思うのです。実際、立教が箱根駅伝に50年ぶりに出場した2022年には、表の通り一気に挽回しています。
もし立教が駅伝に力を入れるのが遅かったら、少なくとも、青学とのダブル合格したときには、青学を選ぶ学生がさらに増えたのではないでしょうか?
こうして見ると、明らかに駅伝の効果があったと言っていいでしょう。決して安くない金額を投資しているわけですから、効果がないと続けないとは思います。大学も今は経営を考えないといけない時代ですから。
という訳で今回は、箱根駅伝を大学経営の視点から考えてみました。
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そしてここからが本番です。筆者も、京大ボート部(旧 端艇部)のOBです。OB会(女性もいますが)の理事会で理事も拝命しています。我が大学におけるボート部の歴史は極めて古く、そもそも、第一回一高三高の漕艇競技大会を琵琶湖瀬田川河畔にてとり行ない、その時に西洋イギリスの名門大学、すなわちオックスフォード大学のダークブルー(濃青)を三高に、ケンブリッジ大学のライトブルー(淡青)を一高に割り当てたという故事があるのです。
以来、一高が東大、三高が京大と呼ばれることになってからも、この対抗戦は令和の今でも続いております。東京六大学野球で見る東大野球部のユニフォームは水色、つまり、ライトブルーでしょう?こうした歴史を知って野球を見るのもまた楽しいものです。
ということで、ぜひ琵琶湖にボートを漕ぎに来てください。大学入試?そのとっておきの秘策は筆者が懇切丁寧に教えて、心から励ましますのでぜひ一度琵琶湖瀬田川河畔の合宿所へお立ち寄りください。
以上