アビスパ福岡監督解任

J1アビスパ福岡は5日、金明輝監督(44)との契約解除を発表した。
同日雁の巣球技場で会見したクラブは、金監督について、コンプライアンスに抵触する言動が複数あったことが昨年末に判明したと説明。昨年11月に2026~27年シーズンまでの続投を発表していたが、双方合意の上で解除した。チームが同日始動する直前の発表で、激震が走った。
金氏はJ1(現J2)サガン鳥栖の監督だった2021年に選手へのパワーハラスメントが発覚し、Jリーグの監督に必要なS級ライセンス(現JFAPrpライセンス)からA級に降格。23年から町田のヘッドコーチを務めつつ、日本サッカー協会(JFA)による研修プログラムや社会法人活動を経て24年にS級を再取得すると、同年12月に福岡の監督就任が発表された。
一部サポーターやスポンサーからは疑問の声が出たものの、クラブは課題の得点力不足を解消できる手腕と、若手育成の実績などを評価して起用に踏み切った。昨年は4月にクラブ創設30周年で初のJ1首位に浮上。夏場に5連敗を喫するなど浮き沈みがありながらも6季連続のJ1を決めたが、最終成績は12勝12分け14敗、勝ち点48の12位で目標の6位以内を達成できなかった。
J1アビスパ福岡が金明輝監督のコンプライアンス違反と契約解消を発表した5日、2007年から長年スポンサーとして支えた、めんたいこ製造販売「ふくや」(福岡市)の川原武浩社長(54)は「まさか本当にコンプライアンスリスクが再発するとは思ってもいなかった」と驚きを隠せなかった。
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クラブの社外取締役を務める川原社長は、サガン鳥栖の監督だった21年にパワハラが発覚した金氏の監督就任人事について、取締役会で反対意見を表明。25年1月末でスポンサーを降りた。当時から問題再発によってクラブが被るダメージを懸念していた。
「現状の再発防止の仕組みでは駄目だったということ。今回起きたことをきちんと総括し、皆さんが納得のいくように説明してほしい」と求め、スポンサー再契約の可能性については「シンプルにサポーターが誇れるクラブであってほしい」と述べるにとどめた。
福岡市内での新体制発表会に出席した約230人のサポーターにも衝撃が走った。20代の女性サポーターは「さすがに金さんもクラブも擁護できない。今度こそ『子供たちに夢と感動を』という理念をしっかりしてほしい」。福岡市の会社員、木下尚樹さん(25)は「これまでもスポンサー撤退や経営危機も見てきた。サポーターとクラブが一つになるチャンスを捉えたい」と顔を上げた。
同市内で始動したチームにはサポーターから声援が送られた。松岡大起選手(24)は「僕たちはプロとしてピッチに立って表現するだけ。そういう1年にしたい」と力を込めた。

