ビックモーター保険金不正事案

下げ散らかす、のパワーワード爆誕

中古車販売大手『ビッグモーター』は、売買、車検、整備、修理まで、ワンストップで行えることを売りに全国に店舗を拡大していきました。その裏で、保険金の不正請求が行われていたといいます。

関東にあるビッグモーターの店舗で工場長をしていた男性。不正に手を染めていたと告白します。
関東エリアの元工場長:「バレることは、疑われたことはありましたね。でも、それも正直、私は1回だけですね。。長年やってきたなかで1回だけです。(Q.どのくらいの期間)8年ぐらいはやってましたね。(Q.8年間で何件)わからないですね、数が多すぎて。わからないように工夫してました。ちゃんと。お客さんからクレームが起きないように、丁寧に接客するとかして。わからないように」

外部調査委員会が作成した報告書によれば、仕組みはこうです。
顧客から持ち込まれた事故などで修理が必要となった車。ビッグモーターは、傷を故意につけて、修理箇所を広げたり、不必要な部品交換などをして修理の費用を水増し。損保会社に不正に保険金を請求していました。

斉藤鉄夫国交大臣:「言語道断の話だと思います。我々も、直接、会社からヒアリングを行って、適切に対応してまいります」

修理費用をどう水増しするのか。さまざまな道具を使い、巧妙に行われていました。
関東エリアの元工場長:「サンドペーパーで側面、すり傷に見せかける傷。ブロック塀って、やっぱり白い傷で、ちょっと太めの傷がザーとつくので、それに見せかけた傷をサンドペーパーでつける。どうにかして傷を似せる、延長線上に見えるよう見積もりを作成。雹害のときは、ゴルフボールで見せかけて、損傷がないパネルまで、ゴルフボールで雹害の跡をつけることはあった。損傷してない車両は、ヘッドライトの付け根をハンマーでたたいて折る。それでヘッドライト交換にする。リサイクル(部品)を使うので、安く仕入れれば、そこで稼げるので」

時には数十万円もの修理費用を水増ししたといいます。報告書では、車体を傷つける行為を器物損壊罪に当たり得ると指摘。こうした不正は限られた人物だけではありませんでした。

外部調査委員会が板金部門の経験者ら382人を調査した結果、104人が「不正な作業に関与した」と回答。サンプル調査では、検証した案件のうち、34カ所の工場で4割を超える不正が疑われる行為がありました。

なぜ、不正がここまで広がったのか。
報告書:「元本部長からのノルマ達成に向けた強い圧力を受けて、“アット”を上げるために不適切な行為に及ぶようになった」

“アット”とは、修理車両1台当たりの工賃と部品の粗利の合計金額のことです。

各店舗に課される厳しいノルマ実態は…。整備士だった元社員に来たラインには、“アット”の達成状況が書かれた表が添付されていました。そこでは、エリア長と各店舗の工場長との間でこんなやり取りがありました。
エリア長:「鹿児島、どこまで下げ散らかしますか」
工場長:「申し訳ございません。アット向上のため取り組みます」

元整備担当者:「これは、見せしめ。ここまで下げれば、こんなこと書かれる。ほかの工場長に対しての見せしめ。かなり無理をして、やらなくていい作業をやったり、走らざるを得ない要素がここにある。私たちも整備士でプライドがあるので『「本当はやらなくていい』と言いたい」

そもそも、修理費用は損傷の程度によって決まるものです。それにもかかわらず設定されたノルマは、1台、約14万円でした。
関東エリアの元工場長:「もちろん高いです。普通だといかないです。バンパー交換、ミラー交換とか、そういったことになると、工賃って1万、2万とか、そういった話になってくるので、それを平均にすると14万5000円はいかない。達成させないといけないプレッシャーもやっぱりありました。つらいなって思うところは、もちろん、たくさんありました。でも、それが給料に反映されるところで、何とかモチベーションは保ってた」

不正の原因は、『会社が売上向上を最優先としていたから』と、板金部門の経験者ら382人のうち、261人が答えました。
関東エリアの元工場長:「上から『不正をしなさい』という指示は、もちろんないです。会社としても一切、『不正をしろ』という指示はもちろんしてないですけど、目標達成に向けては不正をせざるを得なかった。(Q.ほかの工場長に教えることはあったか)それはありました。『どうやったら工賃や単価上がる』と聞かれ、ヘッドライトを損傷させたり、傷を増やしたりする方法を教えていました。 『じゃあ、それやってみます』と。(Q.そうやってどんどん広がった)はい」

従業員が経営陣に対し、不正を告発したことがありました。しかし、報告書は「経営陣は真偽に関して特段の調査も行わないまま、結果的には、もみ消したと言わざるを得ない」と指摘。そして、調査報告をこう結論づけました。
報告書:「顧客の信頼を裏切って、自社の収益獲得を優先したとの非難を免れ得ない。かような行為が繰り返されれば、いずれ保険料の上昇を招きかねず、保険ユーザー全体の不利益にもつながるという意味で、一層、罪深い」

ビッグモーターは18日、兼重宏行社長が報酬の100%を、1年間、返上すると発表。「すべてのステークホルダーの信頼回復に向けて、不断の努力を行うことをお約束します」とコメントしています。

普通、毎回同じ事故や修理ではないから1台当たりのノルマが設定されている事はまったくおかしい話です。顧客の車を故意に傷付けて保険金を多く請求するなんざ、立派な詐欺罪で犯罪です。器物損壊、詐欺、横領の刑法事案です。社長は逮捕されて当然だし、この犯罪に加担した人も逮捕されます。結果、この会社は倒産だと思います。

ビックモーター、クズすぎて草です。ビックリモーター、全ての車好きの人に謝れ。クソが。

以上