バリュー株投資の時代がやってきた(2021/06/07)

韓国で空前の仮想通貨ブーム

韓国の若者たちが、格差拡大、雇用の不調によって将来を悲観し仮想通貨投資による一発逆転に賭け、そしてその殆どが失敗したというニュースがありました。なぜ韓国の若者たちがこのようなギャンブルに身を窶す(やつす)のか、それは社会不安と格差拡大が大きく影を落としています。2017年に大統領に就任したムン・ジェイン大統領は、最低賃金を時給1,000円単位(10,000ウォン)に引き上げるという政策を掲げており、強力に最低賃金を上げていますが、逆に雇用主の雇用意欲が減退し、失業率が上昇、不動産価格は上昇、インフレも激しく逆に経済的格差が拡大してしまったということなのです。

現在の韓国の若者に取れる方法は、実は大きく2つしかありません。一つは、親世代に比べて格段に水準が下がったそこそこの生活、そこそこの下がった待遇の雇用に甘んじてコツコツ暮らすこと、もう一つは、ビットコインのような仮想通貨、さらにはよりリスクの高い、よくわからないアルトコインに投資して、人生一発逆転を狙うことです。しかしながら、ビットコインのような仮想通貨は、単なる電子データの履歴に過ぎませんから、それが社会問題を解決してくれる魔法の杖ではありません。

少し前まで、AmazonやGoogleといったITセクター株で一発逆転を狙っていた若者たちは、今度はさらによくわからない、リスクの更に高い仮想通貨投資に熱を上げているということなのです。

米国株式投信のセクター割合の大幅な変更

海の向こうの米国においても、これまでの株式投信で大きく投入されていた、ITセクターの割合が急速に縮小し、今回の銘柄入れ替えによって、ETF(株式投信)における金融セクターの割合が大幅上昇、また資本財やエネルギーといったいわゆるバリュー株と言われる商品株への投資ウエイトが増しました。

これからは、ITのようなグロース株から、商品やエネルギーといったバリュー株、そして金融株といったクーポンや配当、利益が見込める投資銘柄に注目が移っていることがわかると思います。

投資は自己責任です。当社は、このレポートが出る前に、ITセクターを見切って(個人的にはアップルのiPhoneを手放し)、バリュー株である石油パイプライン会社の株や国際タバコ銘柄への投資に切り替えています。

それではまた。