弥山(みせん):広島県廿日市市(はつかいちし)宮島の霊山に参った話

消えずの火

おはようございます。

2015年1月の記事です。

2015年年始旅行編の最後を飾りますのは、広島県廿日市(はつかいち)市宮島町の宮島(厳島)の中央部にある標高535 mの山であります「弥山(みせん)」です。

弥山といってもわからない方が多いと思いますので、より知られた「厳島神社」ということならば聞いたこともある方が多いかと思います。

平家が大輪田泊(おおわだのとまり)という「港」を整備して、これが今の神戸港の発端なのですが、こうした瀬戸内を通じた日宋貿易で大儲けして、朝廷における権力を誇示することができたという、まさにその瀬戸内の海運の要衝を守るため、厳島神社に莫大な寄進を行ったわけです。

何事も、権力の基にはカネ、ということなのかもしれませんが、平安時代末期、神主である佐伯家と当時の安芸守でもあった「英雄」平清盛の結びつきを契機に平家一族から崇敬を受けました。

そして、清盛により現在の社殿の基礎が出来上がりました。

平家の隆盛とともに厳島神社も栄え平家の氏神に格上げされていったのです。

筆者が行った時はちょうど引き潮のときでしたので、普段は海上に突き出ている大鳥居まで歩いて行くことができました。

弥山への参拝

ここまでは普通の宮島観光なのですが、やはり一工夫したい筆者はそこから弥山に向けて登山を開始致しました。

弥山は古くから修験の山で、かの弘法大師が平安時代、弥山を開山し、真言密教の修験道場となったと伝えられていまして、山麓から山頂にかけて大聖院(だいしょういん)と呼ばれる密教の寺院施設がこれでもか、と鎮座しています。

山に一歩入ると神社から一気に寺になるというわけです。決して大きくない島に、過剰なまでの神仏密度です。

弥山頂上まで石畳の急坂を上り、「消えずの火」がある聖堂に着きます。弘法大師が806年と言われるこの山を開山して秘法を授けて以来、現在まで途絶えることなく燃え続ける霊火です。

この火で沸かした霊水は万病に効くと言われています。

ちょっとすごい神秘スポットなのか、訪れる人の半数近くが一見して海外の方です。

日本人が下の厳島神社だけ見て帰るところ、彼らは日本の歴史や風土を予習して、弥山の山頂までロープウェーも使わずやってくるわけです。

その民度と教養の高さに驚嘆した弥山観光でした。

柄にもなく文化的なことを考えてしまったせいか、当初の主要な目的であったお好み焼きを食べそびれてしまった筆者からは以上です。

(平成27年1月15日 木曜日)

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