[00015]一倉定主義

新境地のプリン

【一倉定先生の言葉で、社長の心と姿勢を正す】

『不思議なことに、経営戦略と販売戦略が優れていながら、業績がいま一歩不足している会社は数多い。

反対に、これらが優れていなくても、顧客第一主義の会社はかなり優れた業績をあげている。

この事実から、ある意味では戦略よりも顧客第一主義のほうが強力である。

優れた戦略をもち、顧客第一主義に徹している会社こそ恐ろしい。この会社には、不況も過当競争もない。』(第7巻 社長の条件)

忠実にランチェスター戦略を実践していながらも、「業績がいま一歩不足している会社」があるというのは、20年間そういう会社を多くみて、そして自分も実践してきた私も同感です。

その根本原因は、「真に顧客の事を思っての戦略ではない」ためと感じます。

「経営戦略」と言うのは、「人を幸せにする」ために存在しているものですし、「人を幸せにする」ために実践すべきものと考えています。

正しい経営戦略を構築し、正しく実行するならば、「戦いを略す」ので争うことが少なくなり、顧客により良い商品・サービスを提供でき、かつ、社員が無理なく楽しく働くことができるのではないか。そのように思います。

福田秀人先生は、ランチェスター戦略を『根性論を否定し、「勝てるところで勝っていく」ことをモットーとするマーケティング戦略』と解説されておられます。

根性論はいらないし、無理もする必要がない。それでも「勝てるところ」は存在するし、そこで勝ってゆけばよい。

ただ、「顧客第一主義」を貫くならば、クレームがあった時など、無理をし、根性を出さねばならないこともあるでしょう。

それでも、このクレームや叱責、不適合を乗り越えて、お客様のご迷惑を解消できれば「達成感」と言う幸福を得ることができるのではないかとも感じます。

仕事とは大変難しいものであるとつくづく思います。

以上