ウクライナを巡る憂慮すべき状況の改善を求める決議案

2022/02/08、衆議院本会議にて、「ウクライナを巡る憂慮すべき状況の改善を求める決議案」が決議され、筆者が注目する無所属議員会派の有志の会は提案者にも加わって全員一致して賛成しました。

前回のウイグルの決議との違いは何かといいますと、ウクライナの問題は、そこでの紛争が台湾問題など極東に飛び火する可能性があるという意味で、日本と密接に関わる問題です。

もともとソヴィエト社会主義共和国連邦、という同じ国の構成国、であったウクライナとロシアは、そもそも同じ1911年成立の中華民国に端を発する今の中人民共和国と台湾政府となった中華民国の相似形です。

この、ウクライナとロシアについては、領土問題や平和条約交渉を控えるロシアとの関係において、日本にとって非常に重要です。

そうした意味でも、ウクライナ情勢の安定化は日本の国益にも繋がるのです。

ウクライナ情勢を、ロシアの一方的な領土的野心と捉えるのは適切ではなく、逆にロシアに攻め入ろうとする勢力があるなら、そちらも牽制すべきということになります。

NATOとロシアが緩衝地帯なく接するという事態は、国際情勢の不安定化にも繋がることでしょう。

そうした観点から、無所属会派の有志の会は、EU・米国、ロシア双方の自制を求めるという意味で、「力による現状変更は断じて容認できない」という一文に、「いかなる国であろうとも」という文言を加えることを求めました。

今回、有志の会の修文要求を受け入れていただき、バランスの取れた決議文案になったことから、この会派は一致して賛成したのです。

有志の会は、多くの与党、自民党議員のように、何も考えずにただ黙って提案に「異議なし」と叫んだり、起立して賛成するだけの採決起立要員になるつもりはないようです。

一つ一つの議案を吟味し、必要に応じて交渉を行い、是々非々で態度を表明していくとのことですので、注目しています。

実のある議論をしたいものです。

そして、70年前に、国と国との中立条約を一方的に破棄し、力による現状変更を行い、択捉島と国後島と色丹島と歯舞諸島を侵略して支配しつづける、かの国、ソ連の後継国家を自称するロシアの振る舞いについては断じて容認できないということを大いに示していきたいと思います。

以上