アメリカから見たウクライナ危機

ウクライナ情勢が風雲急を告げていますが、物事は相手のあるもの、一方当事者のロシアだけをいろいろ叩いても仕方のないことです。

ウクライナ、そしてその背後にいるNATO、そして最後のボス、アメリカの事情を抜きにしては語れません。

プーチン、ゼレンスキーが、どんなに戦争を回避したくても、アメリカのCIAの陰謀とバイデン政権の口車に乗せられ、まずエネルギー価格が高騰してしまい、さらに軍需産業を儲けさせたくてたまらない(そうした会社の株をたんまり持っている)投資家たちの一手が打たれるんでしょう。

ウクライナのゼレンスキー大統領が国内で徴兵令出して、ウクライナ東部ドンパス地域の無抵抗な親露独立派に砲撃を始めました。

先日、木曜日にドネツクのラジオ聞いていたら砲撃の音がリアルで聞こえました。

10万人の政府軍を東部に向かわせて、NATOから支援を受けた兵器の設置をしている。

ウクライナとしては、国内の引き締めのためなのでしょうが、ロシア、英仏独になんのメリットもない戦争をはじめる意味はとてもありません。

単にノルドストリーム2が開通しないまま、ウクライナ経由のパイプラインが止まると、ロシアも困る、欧州も困るというだけなのです。

関門海峡封鎖のようなもので、そうしたら本州側も九州側も困るだけなのに、単に地政学的優位にある窓口としての自己価値を最大化した、愚行にしか見えません。ウクライナ東部地域のドンパス地域などは、実に4割がロシア系住民、といわれているのですから、やるならそのすべてにロシアへの国外退去を要請することです。

プーチンも、いろいろ言われてますがその為の時間稼ぎをしているのに、ゼレンスキーが、そのパイプラインを人質に親露派への弾圧を強めてロシアを挑発しちゃっているところが痛いところです。

そりゃ静観できないロシアは兵を出さざるを得ないでしょう。

これが、これまでの経緯を一番中立的に俯瞰的に見た説明です。独断です。

そして、このような微妙な関係の上で、そこにウクライナのNATO加盟申請という、ロシア側にとっては許せない、地政学が一変することやられたから一気に様相が変わったわけです。

ウクライナを極東における北(中国とロシアね)の脅威を盾にした韓国のような国として見れば、モヤモヤしたのが一気に見えてきます。

こんなのを喜んでいるのは、遠く離れた大西洋にいるアメリカの中の右翼および兵器商人やネオコンだけでしょう。

ウクライナ危機という、作られた国際緊張関係は、オバマ政権時にヌーランドが仕掛けたものですが、それが結実しようとしているのです。成功すれば、数兆ドルを超える軍需となり、WW1以来続いてきた兵器産業による特需景気が(また)見込めます。ウハウハです。

ゼレンスキーとしては、ロシア侵攻を理由にNATO諸国から経済的な支援と、なんとしてもノルドストリーム2の開通阻止をしたい。ガスがウクライナを通らなくなると一気に財政が破綻するのが分かりきっているからであり、ウクライナは両陣営にとって使い勝手のない、見捨てられた国になります。

現地のラジオ聞いていると西側の報道が随分と偏っているのが分かります。

ウクライナ東部以外のラジオ局もゼレンスキー批判が目立ちます。行きすぎたナショナリズムです。

ウクライナ国民は、徴兵も戦争も望んでいないのに、やたら脅威を煽るだけの経済音痴の元コメディアンがなに言っているんだという感じです。

その批判をロシアの脅威を煽ることで、西側から支援させて国内の不支持率の転換と、国内の財政危機を乗り切ろうとしているだけです。

ウクライナ国民を犠牲にして、どこまで突っ張れば気が済むのでしょうか。

ということで、ウクライナ側にとっては痛い批判の記事になりましたが、このように、立場変われば言葉も変わるということです。

以上