(2016/05/05)企業会計における営業資産であるところの「のれん」について説明しておきます

会計年度もこのように続いていきます

おはようございます。

2016年5月の企業会計に関する配信記事です。

のれんといいましても、のれんに腕押しののれんではなく、企業の合併買収(M&A)における財務諸表上に表示される資産項目である「のれん代」のことについて少し話をします。

のれんは、買収される側の企業価値として、純資産総額以上の価格で買収企業に買収された場合、その買収した企業の資産項目に、買収された企業の純資産価値以上の価格として計上されます。

具体的に、会計上のれんがどのように生ずるのか確認しますと、まずAという会社がBという事業体を100百万円で取得しますが、この事業体Bには、客観的に認識できる帳簿上の資産が80百万円しかない場合、差額の20百万円についてはA社がB事業体に対して認識した「将来の利益の現在の価値」として、A社の資産として計上せざるを得ないということになります。

のれん代という目に見えない資産が計上される

つまり、A社の資産項目に、80百万円のB事業体の識別しうる資産と、20百万円ののれん代が計上されるということになります。

そして、その20百万円ののれん代は、現在の日本の会計基準では、「20年以内」に償却期間を定めるとあり、その期間については合理的な説明がなされれば十分ということなので、実は償却期間は2年から20年と幅があることになります。

先の例で言いますと、2年での償却だと1会計年度あたりの償却額は10百万円と多額になりますし、反対に20年だと年額1百万円の償却で済むことになります。

もともとのA社の事業規模にもよりますが、もしA社の期間利益が1百万円程度であるならば、最長20年間の償却期間を設定したところで、赤字すれすれの決算となってしまいます。

もともと2つの事業体を1つの事業体として今後取り扱うということなので、多少の無理は仕方ないことかもしれませんが、合併や買収が起こった場合の企業価値の把握は、非連続である故の難しさがあるということです。

株式投資は下手な筆者からは以上です。

(平成28年5月5日 木曜日)

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