販売活動から始めよ

【一倉定先生の言葉で、社長の心と姿勢を正す】
『会社の中の人々の行動は4つ
① 販売活動 : 今日の収益をあげる活動。
② 開発活動 : 明日の収益をあげる活動。 新商品・新事業の開発、新市場・新顧客先の開拓。
③ 管理活動 : 日常の繰り返し仕事のコントロール。
④ 現業活動 : 日常の繰り返し仕事。』(一倉定の社長学/第6巻 内部体勢の確立)
ドラッカーは「創造する経営者」(1964年)にて、「本業の仕事は3種類 ①今日の事業の実績をあげる。 ②潜在的な機会を発見し実現する。 ③明日のために新しい事業を開拓する。3つの仕事は重なり合う。ゆえに、1つの統合された戦略が必要。」と語っています。
私は、この文を読んだときに「なんと難しいことを言うのか!」と感嘆したことを覚えています。
「今日の事業の実績をあげる」だけでも大変なのに、さらに「機会を発見し、新事業にも挑戦せよ」と。さらにそれを「1つの統合された戦略しろ」と。
あまりに高度過ぎて、とてもできないと思ったものですが、会社経営を長く続けているうちに、まさに「この状態を構築できるようになった」と感じています。
新事業を行うことは「多角化」に該当しますが、現在の事業と同じ「コアコンピタンス」(中核)であるならば、それは「関連多角化」であって、今日の事業と明日の事業は重なってゆきます。2つの事業は関連性があるゆえに、「機会の発見」も重なったものになってゆきます。
さて、今回の一倉先生の解説される「会社の中の行動」は、まるで呪文のようなドラッカーの言葉と異なり、大抵の人間がしっかり理解できるものとなっていますね。
「今日の活動は管理者と社員が担い、明日の収益は社長と専門担当者が担う」と明確に分かれているゆえに、分かりやすく実践しやすい。