イナバウアーについて

上体を反らしたイナバウアー

フィギュアスケートにおいて有名になった上体を反らしたイナバウアーについて

おはようございます。

2014年11月の筆者提供のフィギュアスケートに関するブログ配信記事です。

2006年トリノオリンピックの女子フィギュアスケートで金メダルに輝いた日本の荒川静香選手は、オリンピック前に、世界的な優勝請負人として名を馳せていたロシアのモロゾフコーチに師事を仰ぎました。

モロゾフコーチは荒川選手の熱意もあり、専属コーチとして来日し短期間ながら二人三脚でプログラムや技を極めていくのですが、モロゾフコーチが荒川選手に一つだけ助言したものがあります。

それは、荒川選手の得意技であるイナバウアーを外さない、必ず演目の中に入れるということでした。

フィギュアスケートにおけるイナバウアーとは、両足のトウと呼ばれるつま先部分を外側に大きく開いて横に滑る滑り方の総称ですが、荒川選手はそのまま身体の上体を真後ろに反らせたまま緩やかな弧を描いてスケーティングする高度な技を持っていました。

特に、レイバック・イナバウアーなどと呼ばれますが、現在の日本では単にイナバウアーと言えば荒川選手のこの技であるというイメージで定着しています。

身体の究極な柔軟性とバランス感覚、高度なスケーティング技術がないとできない凄技です。

しかし、実は、当時のフィギュアスケートのルール改正で、このイナバウアーという「技」は「(得点となる)要素間のつなぎ」として取り入れているものであるが、要求される技術要素そのものではないということになりました(現在でもそうです)。

要するに、直接得点にはならないことになったのです。

それなのに、モロゾフコーチは荒川選手の演目からイナバウアーを外し、もっと得点になるような要素に置き換えることを勧めなかったのです。

得点より自分らしさを出し、観客に自信をもって自分をアピールする、これがフィギュアの原点だという考え方があったのではないかと思います。

確かに、スケートの技や要素を得点化し、それを積み上げて採点するという方式は合理的だと思います。

しかし、全体の印象をぐっと引き締めるイナバウアーのような動きで、演者たる選手が自信を持って演技できるのであれば得点の積み上げとは別次元で入れたい、こうした深慮があったのかもしれません。

イナバウアーを取り入れたこのフリースタイルの演技で、荒川選手は金メダルに輝きました。

自分に自信を持って進むために自分らしい技にこだわるのは大切なことなのかもしれません。

ブログを毎日続ける、これが自分らしい技かもしれないとたまには真面目に改めて思いました筆者からは以上です。

(平成26年11月14日 金曜日)

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