進路指導
大学や高校、中学入試の季節です。
進路相談を受けることが多いので、その答え方の一例を書きました。
ご覧下さい。参考になる人が多いかと思ったので供覧します。
志望校を下げるのか、リスクを取って医学部ではなく薬学部にシフトするのか、早稲田大学なら政経や法、商学部ではなく教育学部を狙うのか、はたまた灘や開成ではなく、その次ランクの中学同日受験日の学校に転ずるのか、こういう時きっとご本人も親御さんも「失敗したくない」「後悔したくない」というお気持ちが強いのだと思います。
たまたま、わたしは受験にほとんど苦労したことがなく(ほとんどノー勉でもテストには途方もなく強かったもので)、また中学受験の経験もなく、したがって私立中高一貫校で学んだこともなく、また最近の大学生活は自由イズ正義だった当方の頃に比べるとかなり出席や評価などが厳しくなっていることを聞いていまして、あまりお役に立てる具体的な最新の情報はあまり持っておりません。
それぞれの進路選択の先にある具体的な最新の情報に関してはやはりその道の年代の近い先輩なり先達に聞くのがやはり良いと思います。
そこを踏まえた上で当方や当方の子供が同様の状況になればどうするか、と考えますと、まず子供が自分として「何をやりたいのか」ではなく「何を試したいのか」を考えます。
いろいろな高校生や中学生と進路相談のようなものをしてきましたが、何をやりたいかはその時々で変化していきますので、本質的に自分が何をしたいのかはなかなか分かりません。
またどの選択が得なのか、損がないのか、安全なのかも非常に難解な数学的社会学的な問題でして、先を見通すのは難しいです。
そういう中で人がどういう選択をした時に前に進めるかを考えてきました結果、現時点での結論としては、自分の力がどこまで社会に通用するのか、自分の考えや仮説が、どこまで周囲や社会に認めてもらえるのか?
といったその答えが出来るだけ多く得られる選択ほど、たとえ社会的金銭的時間的負担が増えるとしても、満足度や自分の自信に繋がるということははっきりしています、と結論しています。
医者になりたいから医学部を受けると言うと至極真っ当に聞こえますが、実のところ「自分が医学部に受かるのか、自分が医学部の教育に耐えうるのか、そして医者としてやっていけるのか?」を知りたい、試したいという気持ちが強い人が医学部を受けているのだと思います。
わたしの周りもそうでした。
逆に申し上げますと、医者になる道は受験勉強よりはるかに大変なので、合格を勲章やご褒美にしか思えない人には向いてません。
東大医学部や京大医学部にいるということは、はるかな毎時間の努力を当然のように求められる、異常な期待を受け続けるということであり、これは捉えようによってははるかに厳しいです。その環境を平然と楽しみ、自分を試し続けることができる人に向いた場所です。
落ちたことで自分の力の結果が出たと感じるのであれば他の道もいいでしょう。
まだ自分は力をだしきっていないと感じるのであれば、再度チャレンジして自分の力を知ることが、結果はどうあれ人生の大きな糧、武器になります。
また薬学部での自分を試してみたいのであればそれもまた良いと思います。
ただ人は所属がないと大変不安になりますので、とりあえず受かったところに入学はしておいた方が良いと思います。
所属から自由になれるのならそれに超したことはありませんが、当方のようなサイコパス気味の人間であってもやはり所属のないことは不安になります。
まとめますと「選択の結果の善し悪しよりも、結果から得られる情報の質と量」でお考えいただければ、未来や将来の自分という不確かなものに振り回されずに選択をできるのではないかと存じます。
参考にしていただければ幸いです。