国連総会ロシア非難決議採択
国連総会で、多数でロシア非難決議がなされました。
国連「憲章違反」とのことです。
ただし、圧倒的多数で採択された、と喧伝する西側メディアから少し距離を置いて、冷静に報告します。
確かにロシアの孤立が深まったかもしれませんが、実は2割の国々は賛成していないのです。国連加盟国は193で、賛成は141。賛成率は73%に過ぎません。孤立鮮明と書くのは西側のメディアだけ、本当は、ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアは反対、中印等の大国は棄権しているのです。
国連総会(193カ国)は2日(日本時間3日)、ロシアによるウクライナ侵攻を受け開いていた緊急特別会合で、領土保全や武力行使禁止を定めた国連憲章違反だと侵攻を糾弾し、軍部隊の即時撤退を求める対ロシア非難決議案を141カ国の賛成多数で採択しました。
反対はロシアのほか、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアの5カ国。中国やインドなど35カ国が棄権しました。
この総会決議に法的拘束力はありません。
もちろん、国際社会の多数の意見を示すものではありますが、加盟国の7割程度がウクライナを支持した、というかロシアの今回の侵攻に(義務なく)反対しただけであり、逆に中国やインドといった人口大国が、こぞって棄権に回ったことの方が取り上げられるべきだと思います。
ロシアの国際的立場がこれで変わるとは思えません。
もちろん、2014年のロシアによるウクライナ南部クリミアの併合を無効とする総会決議採択では棄権や無投票だった国も、多くが賛成に回っています。
西側諸国とロシアや中国といった陣営との、対立が鮮明になったことだけは間違いないです。
ちなみに決議は侵攻について「最も強い言葉で遺憾の意を表する」と明記しました。ついでにベラルーシに対しても「違法な武力行使に関与」しているとして「遺憾」を表明しています。ロシアの核戦力の態勢強化も「非難する」としましたが、これは他の核保有国がしれっと賛成に回っているのが面白いところでもあります。
緊急会合は、ロシアの拒否権行使で安全保障理事会が身動きを取れなくなっていることから、他の理事国11カ国が開催を要請すると決定したものです。確かに拒否権というのは国連が戦勝国「連合国」でできている生まれ持った茶番ではありますが、その安保理の40年ぶりとなる要請に基づく緊急会合で、2月28日から開かれて、今回決議に至ったものです。
ここから事実とは直接関係ない西側諸国のプロパガンダを紹介します。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は2日、「戦争を選んだのはプーチン(ロシア)大統領ただ一人だ」と改めて批判しました。
武力で大国にかなわない小国の間にも「ウクライナへの侵攻は、世界のどの国にとっても脅威だ」(ガイアナ)という危機感が広がったといいます。
これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は「西側諸国が各国に(賛成するよう)かつてない圧力をかけている」と主張し、北朝鮮の金星大使は「全ては米国の覇権主義が原因だ」と唱え、「決議案は政治的プロパガンダに基づく偏見を示している」としたシリアとともに米欧への反対を表明しました。
中国は「決議案は危機の歴史と複雑さを十分に考慮していない」と指摘。インドは「進展する状況を総合的に判断した」と説明するにとどめましたが、賛成には回りませんでした。カザフスタンなど中央アジア、イランやキューバ、ベトナムやラオスといった各国も棄権しています。
世界はいつの時代も複雑で多様化しています。
善悪二元論で語るのは、頭の悪い証拠だと思っています。
西側、中露、どちらにもつかずに、日本が皆で楽しくやっていける方法はないもんかのう。。。
かつて、関白秀吉軍が小田原北条家に押し寄せたきたその時、成田長親は忍城(おしじょう)において、どこ吹く風とばかりに「北条家にも、関白にもつかず、皆で今までと同じように仲良く暮らせないかなあ〜」などと呑気なことを言って、皆を唖然とさせた、あの故事にならって。。。
以上