JR北海道の採用の失敗

JR北海道の中途退職が、年間200人におよび、会社組織の危機に瀕しています。

そもそも北海道とは、面積で言えば九州の2倍です。その2倍の土地に、福岡県程度の人口(500万人程度)しかいない、さらにそのうちの4割が札幌市およびその近郊に居住するという、非常に過疎な土地柄なのです。

その北海道経済をけん引すべき、インフラ企業であるJR北海道でも、2021年度の中途退職者(自己都合)が年間約200人と過去最多を更新する見通しであるということで、人材流出は深刻です。

そして、流出する社員の多くは10~30代の正社員であり、その流失規模は、たとえば19人だった2011年度の約10倍です。

そもそも新卒採用(2021年春で250人)の約8割に相当するということは、この会社の将来にほぼ希望が見られず、入っても入ってもやめる人が後を絶たないという、末期的な状況です。

業績不振が原因なのでしょうか。

そうではなくて、JR北海道に来るようないわゆるお勉強ができてまじめな人材は、そもそも田舎の勤務を敬遠するだけのことなのです。

もっと、お勉強はできないけれども体力と孤独に耐えられる、自然が大好きな自然児や不登校生徒を取った方が良いと思います。

人材流出が特に深刻なのが、線路を管理する保線などの現場担当者です。

特に、冬季の除雪を含めて鉄道の安全運行に欠かせない役目ですが、人がほとんどいない、リアルぽっぽや(鉄道員)の勤務になることも多く、希望と違う配属ならば即退職、という社員があとを絶ちません。

JR幹部は「入社後の配属は選べないと念押ししても、希望と違う地方の保線担当となって退職するケースが後を絶たない」などといいますが、そりゃ、札幌に一生懸命勉強して北大なりに出てきた学生が、一気に先祖返りで僻地に配属されてはたまらない、と考えるべきでしょう。

札幌以外の北海道の諸都市や郡部から、お願いしてきてもらうようにしたほうがよほどいいかと思います。

以上