お次は代数の問題
幾何に続いて代数の問題
数学が苦手な中学生にはこのように説明します。試しに娘さんに読ませてみてください。
倍数を証明するコツの
を述べます。当然ですが、 ★「掛け算を使え」 という事です。 そして、ついでに 「アルファベットも使おう」 と言い添えます。 まとめると、こうです。 ★アルファベット付きの掛け算に!
~~~~~~
⇒ これで「倍数」が証明できる
たとえば、今から
「3の倍数」を書きます。
つまり九九の“3の段”です。
3, 6, 9, 12, 15, 18, 21 …
同じものを、式(掛け算)で。
3×1、3×2、3×3、3×4、3×5 …
皆さんはもう中高生なので、
「3の倍数」を式で書けば、
「3×●」になる事にはすぐ気付くでしょう。 ですから、 アルファベットを使って、 こう書きましょう。 3の倍数とは、 ■「3× m (m は整数)」
~~
ここで大事なことを言います。
( )の中に書いた、
「m は整数」という言葉は
必要なものです。
なぜなら、
m が 2.5 だったりすると、おかしくなるからです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ですからもう一度いいます。 ★「3× m (m は整数)」
~
この形をマスターすべし。
…
m でないアルファベットを
使ってもいいですよ。
3 × p (p は整数)
3 × k (k は整数)
どちらもOK。
ここまでのまとめ:
3×●(●は整数)こうなれば「3の倍数」。 ちなみに、 3 × 5p (p は整数)などと 計算の途中で、 右側に数字が入ってくる タイプの問題もありますが、 それも「3の倍数」で
~
あり続けるので、反応できるように、ここで 覚えておきましょう。 … これで、次の問題が 簡単に解けます。 ------------------------------ 【問】8の倍数は、 2の倍数である事を証明せよ。 ------------------------------ これはつまり、 ■8の倍数は、 「なぜ」2の倍数ですか? という意味ですね。 問題の意味が分かれば、 難しくありません。 では、行きましょう。 [解答例] 8の倍数とは、 8× m (m は整数)である。 8を素因数分解すると、
~~
2×2×2であるから、
8の倍数は、
2×2×2× m (m は整数)。
掛け算は、どの順に掛けても
同じだから、
8の倍数は、
2× 4m (m は整数)と書いてもよい。 これはつまり、 8の倍数は、 2の倍数という事。[終] ―― いかがでしょうか。 2×●(●は整数)は 「2の倍数」ですから、 2× 4m (m は整数)も、 「2の倍数」ですよね。 こうやって、倍数の問題は、 簡単に証明できるのです。 ちなみに、 ■「偶数」と 「2の倍数」は同じもの という事も、 ついでに国語力として、 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 押さえましょう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 8の倍数が「偶数」である事を 証明せよ、と言われても、 上記と同じ解答です。 そして、実は、 上記の模範解答には、 皆さんが抱きがちな疑問―― 「因数分解って、 いつ使うんですか」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ という疑問への答えも、 さらっと含まれていた事に 気付きましたか? 因数分解というのは、 このように、 ■「倍数の証明」に使う ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ものなのです!(ドーン) 8=2×2×2という、 素因数分解(因数分解)を 使った事で、 8× m(m は整数) = 2× 4m (m は整数) という説明を行う事が できましたね。 では、次が、 本日最後の問題です。 … -------------------------------- ・「3の倍数と6の倍数の和」が、 3の倍数になる事を証明せよ。 -------------------------------- これも、全く難しくありません。 さっそく行きましょう。 [解答例] 3の倍数は、3×p (p は整数) 6の倍数は、6×q(q は整数) 2つの和は、 3p + 6q これは因数分解できるので、 3( p + 2q )である。 (p, q は整数) これは、3× (p + 2q) という意味。
~~
だから、
3の倍数と断言できる。… いかがでしたか。 3×●(●は整数)は 3の倍数ですから、 3×(p + 2q)(p, q は整数) これも3の倍数ですね。
そして、
因数分解はこのように、
「倍数の証明」のために!~~~~~
使うのでした。
ちなみに、私は、
・1つ目の数で p を、
・2つ目の数で q を
それぞれ使いました。
数を2つ使う時は、文字を分けて下さいね。
~~~~
★「なぜ使い分けるのか?」
については、次回説明します。
では、また続きをお楽しみに。
「倍数の問題」は
もうすべてできますので、
今まで苦労した問題を、~~~~~~
もう一度眺めてみて、
“あれっ…意外に簡単だ”と
確認しましょう。
それであっさりと、
“積年のリベンジ、終了”。