中学生の税の作文(夏休みの課題)
私が一番税というものを身近に感じて、そのイメージを自分なりにつかんだのは、昔からやっていて、お父さんやお母さんも読んでいた週刊少年ジャンプという少年少女漫画雑誌の看板漫画で、40年の連載が続いた伝説の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の中で、税のしくみをテーマとして扱った回があったのをお父さんに読ませてもらった時です。その話では、大きな川の向こうとこちら側に集落があって、向こうの特産品とこちらの特産品を受け渡すのにいちいち船を使うより、丈夫な橋を架けて往来を増やしたほうがはるかに取引や貿易が増えていいことだけれども、そのような橋建設に多額なお金を一個人が出すことは難しいから、税という仕組みで平等に2つの集落のみんなに少しずつ負担してもらい、お金を拠出してもらって、そのお金を元手にして、橋がかけられました、というような話で税務署の人が非常に簡単に説明されていました。もともとお笑い漫画なので、その後のストーリーはお決まりのハチャメチャなものになるのですが、税というものは、みんなの暮らしを豊かにするために、私たちが安心して暮らしていくために必要で、通常の取引や経済社会では整備するのが難しい公的インフラやサービスを提供する仕組みであることがわかりました。
しかしながら、今の日本においては、少子高齢化が進み、年間100兆円にも膨れ上がった歳出に比べ、税収を中心とする歳入はその半分にも満たない水準です。その穴埋めに、年間50兆円以上の国債を中心とした借金が積みあがっていて、その借金の総額は、お父さんに聞くとすでに1,000兆円を超えてしまったそうです。お小遣いが50円しかないのに、いつも100円以上使っているようなやり方では、いつか国家の財政は行き詰まってしまいます。これ以上税収を増やそうにも、すでに国民負担率は5割に迫っており、これは、たとえば戦国時代での重税の例として五公五民、小田原を居城として関東にその覇を唱えた後北条氏の善政の例として四公六民といった例を教えてもらったように、特に働く生産現役世代には非常にきつい負担になってきています。歴史の勉強で学びましたが、第一次世界大戦終結後のドイツでは、1マルクの価値が暴落して1兆分の1になったそうです。このようなことが将来の日本に起こらないように、私たちがもう少し大きくなって選挙権を得たときには、なんでもばらまいて投票してくれと叫ぶ候補や政府は黙って現金を配れなどと叫ぶ議員などの言葉に惑わされないように、賢い選択をしたいと思います。そのために、義務教育として使われている税のありがたみを感じ、残り少ない義務教育の期間を、一生懸命勉強したり運動したり、身体と精神を鍛えることに使っていきたいと思います。私も将来、大きな橋を架ける一助となりたいです。
以上