れいわ山本太郎衆議院議員を辞職して参議院議員に立候補へ

去年の衆議院選挙で当選した、れいわ新選組の山本太郎代表が会見し、衆議院議員を辞職すると表明しました。

れいわ新選組・山本代表
「衆議院議員を辞職いたします。衆議院議員としての立場を捨てて、今回の参議院選挙に挑戦する以外ないという判断です」

山本代表は「自民党による政治の暴走をなんとしてでも食い止めなければならない」などとして、夏の参議院選挙に立候補する考えを示しました。一方で、どの選挙区から立候補するかは明らかにしませんでした。山本代表が当選からわずか半年足らずで議員辞職することについては、賛否両論あります。

党勢拡大のための国政軽視という声も聞かれますし、目立ちたいから選挙に出るだけだともいわれます。

しかしながら、徒手空拳であたらしい政党を立てて、既得権益に切り込んでいこうとする氏の姿は、決して否定されるものでもありません。

全くコネも組織もなく、自分で国政を変えようという中で、唯一の武器は俳優としての自分の知名度だけだということは事実でしょう。

そして、衆議院議員としての彼の席は、立派に比例代表である次の名簿順位の人に引き継がれます。なにせ、「れいわ新選組」という政党に対しての票ですから。

しかしながら、この様な手法で議員数を伸ばす事は合法ではありますが、あまりして欲しくないものです。他の政党にも同じ事例が当てはまりますが、とくに山本代表のように知名度がある候補については、選挙のたびに、山本太郎ではなく政党のれいわ新選組、の一人として立候補して、選挙専門で高速回転で繰り回しながら議席を産み落としていくという手法なのです。

こんなのを見せつけられるのであれば比例代表制度など、廃止して欲しいものです。

もともとの、中選挙区制度に戻さないと国会議員全体の質がどんどん下がっていくのではないでしょうか。

中選挙区制度の時代は、それなりに出来た政治家も多かったように思うのですが、この現在の制度では、日本の政治能力向上も期待できないと思います。

比例代表制、それは果たして有権者が当選させたい候補者なのかと問われれば、そうではないと思うのです。なんか敗者復活の役得みたいな制度であり、落選して当然の誰それって候補者までが当選の棚ぼたを得ているように思えてなりません。

こんなんだから政治家は美味しいとか儲かるとかいう輩が当選してしまうのです。

今回の山本の辞職について、図らずもあぶりだされた制度の弱点ですが、この選挙を軽んじる下地としての比例代表制の罪は大きいと思います。

自分という個を支持してくれる人からの得票だけで当選すべきだと思います。

政党の後ろ盾なんて気にせず。

それでも現行の選挙制度で「民意」によって、日本国憲法前文にある「正当に選挙された国会における代表者」を託されている国会議員の地位を、軽々しくその任務を中途放棄する者について、本来の任期(もしくは解散)まで他の選挙への立候補を法律で制限することも検討する必要があると思います。

また、この山本氏のような例だけでなく、先日の衆院選で落選した有名元議員を比例票獲得の為に参院選比例区に出馬させ、当選しても次の衆院選で(参院議員辞職・比例議席を次点者に譲って)鞍替え衆院議員復帰を画策している政党もあります。参議院って、一体何なんでしょうか。

山本氏も、仮に参院議員に当選したとしても、その次の衆院選でまた鞍替えすることも当然予想されますので、これはもう、制度の不備以外の何物でもないと思います。

以上