葉隠

葉隠(はがくれ)の思想

江戸時代はじめ、幕府の意向で中央に近いところでは儒教的な服従と秩序と規律の価値が重視され、武士は役人としての仕事にあくせくしていました。しかし江戸から遠ざかるにつれ、教養のある人々のところから、もっと鬱屈した人間たちのところへ行くにつれて、江戸や大阪京都といった中央の思想とは違った感情に人は出会うこととなります。名誉心はいっそう峻厳なものとなり、忠誠心はいやが上にも賛美され、単に有用なだけの才能を軽侮することをもってよしとする風が保たれていたのです。死が身近であった戦国の精神がそこには生き残っていました。山本常朝が九州の片隅、肥前(今の佐賀市)で最もラディカルな武士道の書、『葉隠』を口述しえたのはそのような背景があります。
筆者が今この四誓願を解釈すると、
一、人の道におくれ取り申すまじき事
一、国の御用に立つべき事
一、親に孝行仕るべき事
一、世の為人の為になるべき事
となりましょうか。
ご参考ください。