(2019/12/08)地方中核都市の駅前立地の百貨店などの商業施設跡を改装してオフィスビルにするという事例の紹介です
おはようございます。
2019年12月の縮む国内経済への対応策の一つを紹介するという記事です。
人口500万人の福岡県で第3の都市である久留米市において、駅前立地の百貨店跡地をオフィスビルにリニューアルしようという計画が持ち上がっています。
これまでは、駅前立地を生かした百貨店などの商業施設がひしめいていましたが、イーコマースの台頭と急速な伸長、加えて本格的な人口減少社会の到来ということで、駅前商業立地でも販売売り上げが伸びないという構造的な問題が日本全国津々浦々の地方都市で進んでいます。
土地建物などを保有する、大家側や地元の経済界らとしては、百貨店などの大型商業施設が呼び込める集客力は街の賑わいにとっても売り上げという経済波及効果としても、非常に魅力的なコンテンツであったわけですが、今や駅前立地といっても、買い物や物販が流行ることも少なく、一部のタピオカ店などを除けば、売り上げ苦戦に見舞われ、これといった打開策がないのが実際です。
久留米市の例では、福岡市の中心である天神や博多から西鉄天神大牟田線の特急なで約30分で着くという、立地の良さが注目されており、久留米市によると周辺にはコールセンターなどの企業進出が相次いでいます。
ここに、2019年3月に閉館した福岡県久留米市の岩田屋久留米店新館跡のフロア(4階分、約9700平方メートル)をオフィスに改装し、2020年秋の営業開始を目指すことになったようです。
不動産開発会社や資産運用会社が、この空きフロアの地権者から権利の大半を取得し、オフィス区画に変更する総投資額は十数億円になる見通しだそうです。
約3,000坪の駅前立地の百貨店跡地に登場するオフィスビル区画が、これからの街の賑わいの起爆剤になることを期待するものです。
最後に、今後の参考までに、商業施設や小売業、飲食業が「復活した」数少ない事例を2つほど挙げて、終わりにしたいと思います。
1つは、うどんの丸亀製麺の事例です。
全国チェーンとなりました丸亀製麺ですが、全店的な客足の鈍化に悩んでいました。
そこで、あらゆる検討の上、最も良くこの問題点について考えた中の人が、丸亀製麺のこだわりである「(各店という現場でしか味わえない)手作りのつくりたてのうどんの味」があまり顧客に、むしろ常連さんにも伝わっていないことにたどり着き、そうして、とっておきのライターに、会心のキャッチコピーを作ってもらったのです。
「ここのうどんは、生きている」
これが、このたった一言のキャッチコピーによって、丸亀製麺が本来提供していた商品の魅力が、顧客に、世間に再認識されて、お客が一気に戻ってきたというのです。
どんなに素晴らしい商品を作っていても、それが伝わらなければ、売れることはないという教訓です。
eコマースのアマゾンが商品として売れるのは、個人の時間を占領しているスマホ画面に、いつもそのショッピングサイトの商品が「陳列」されているからなのです。
違った方法で、顧客に訴求するということを考えてみたらいいと思います。
もう一つは、あるホスピスからのツイートから2日後に実施された粋な計らいです。
病気で余命わずかな男性の、映画 『スター・ウォーズ』 の最新作が観たい、という最期の願いをかなえるために、ディズニーが公開日に先立ち、その男性と家族のために英国のホスピスで特別上映会を行ったのです。
「誰か力になってください。施設の患者に『スター・ウォーズ』の大ファンがいます。しかし、彼には『スカイウォーカーの夜明け』の公開日(2019年12月20日)まで時間が残されていないのです。彼の願いは、息子とスター・ウォーズの最終作を観ること。その願いを実現してくれる人を知っている方は、シェアお願いします」
まさに、助けを求めるスターウォーズシリーズの、レイア姫にも似たツイートです。
これを見た関係者や出演者が、制作元であるディズニーに連絡し、そしてディズニーの会長兼CEOのボブ・アイガー氏が公開日前の特別非公開上映を速攻で許可し、そうしてこのツイートから2日後に、実際にこのホスピスでの上映会を実現させたのです。
『スター・ウォーズ、シリーズ最終作/スカイウォーカーの夜明け』、この莫大な制作費用と時間と人々の熱意の塊である作品は、流出の危険を承知の上で、この余命わずかなファンに一足先の上映会をホスピスで行う決断をしすぐに実行したディズニーの映画会社としての姿勢は、どんなこの映画の上映前宣伝よりも、潜在的顧客の心に響いて、この作品を見るため足を運ぶファンを増やすことでしょう。
「eコマースに一矢報いたい」
商業施設やコンテンツの復活を信じたい、こちらからの配信記事は以上です。
(2019年12月8日 日曜日)
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