田んぼの広さ(300坪が1反)
田んぼは「1反(300坪)」で育てるのがベスト
田んぼの広さの単位は1区画が「1反」で計算されます。
1反は、300坪です。
300坪は、約10アールで、現代まで続く日本農法ではこの1反あたりの収穫量は約600kg、米俵にして10俵となります。
1俵が、大人1人が年間に食べる量の目安ですので、10俵あれば、おじいちゃんおばあちゃん、父と母、そして子どもたちが暮らせる(一部は売って、野菜や肉魚に変える)というわけです。
1反の田んぼで年間10人が食べられるという計算です。
そして、この日本農法の極致であるところの、日本の稲作がトウモロコシとかジャガイモみたいに大規模化できない理由があります。
稲作に大事な「水」を均等に稲たちに巡らせる、あの日本の清く正しい田園風景、その最適なマネジメントのための最大の単位が「1反」なのです。
あまりに広大な土地では、一様に稲は育てられません。
水かさが均一になるようにしないと、稲は生育せず、米は取れないのです。
残念ながら、そういうわけで、いちいち300坪ごとに畝(うね)をつくって、10人単位の米作りを行うのがベストだということなのです。
さて、このことを、あらゆる事業に応用してみますと、思うに日本に中小弱小企業が多い理由は、ここらへんの文化に根付いているような気がします。
強欲金融資本主義ではない、要するに「小さくつつましい経済圏」で、中身は豊かに暮らすことを望んだ域内での仲間内での産業振興の形です。
コロナ禍の中ですが、筆者も多くの経営者、社長と呼ばれる人々と語る機会が増えています。もともと、社長になったら他の社長100人に話を聞いてみたいと思っていましたが、100人を超えて、本音の話ができるのはありがたいことです。
会社を守る、従業員を守る、自分や家族の生活を守る、そして、地域を守る。
そんな、小さな経済圏から考える「1反」あたりの議論が多くなっているのは楽しいです。
一旦、この話は終わりにします。
以上