ふらりと立ち寄れる関係

僕は友達が少ない

僕は友達が少ない、というアニメ作品がありますが、少ない友人でも、訪れてくれる隣人は何者にもまさる心の清涼剤です。ということで、自らも積極的にぶらりと往訪することを敢えておすすめするものです。国際的な会合を行う親睦組織である、例えばロータリーでもライオンズでも、地域の同業者会合においても、みんな砂漠のような都会の孤独に耐えられず、同気相求めるものたちの集いというのは何よりも求められているのです。繰り返し繰り返し、友愛とか交友とか友情とか友誼とか、はたまた奉仕とかいうことが語られるのは、人間は本質的におせっかいをやきたいものであるということなのでしょう。わたしが、情熱をこめて、友情、友誼ということを繰り返して強調するのは、どれだけ富があっても、仕事がうまく進んでも、親しい人間同士の交際ややりとりがなければ、この世は極めて味気ないものになってしまうという真実を知っているからです。貧乏だろうが、別に病気になろうが、はたまた大戦争とか大飢饉とか、かような世の中の変動も厳しいでしょうが、それで耐えることができます。しかしながら、友達がいなかったら生きる価値もないでしょうね。そして、かような友達というものは、表玄関から改まって畏まって訪問してくるものではなくて、サザエさんの三河屋さんのように、何時でも裏木戸や裏口からぶらりとお互いに入っていける仲であること強調したいのです。昔、たとえば我々の父祖父母の時代は、互いの家や職場にひょっこり立ち寄ったものです。わざわざ訪問の日時を決めてアポイントを取って訪問するより、ひょっこり現れてちょっとの時間の立ち話や雑談をするほうがどれだけいいか知れないです。だから、我々は、いつでもこういった不意の亂入者のために食事の一皿でも、土産話の一つでも少しの猶予の時間でも余分に用意しておく心の余裕を持っておきたいものです。こういうのが羨ましい人間関係というものです。予めアポイントメントをとらなければ到底お目にかかることも憚られるというような関係とは雲泥の差がある、まさに別天地です。そういうわけですから、みなさんも、ぜひ気軽にわたしのところに訪ねてきてください。面白い土産話などご用意して、お待ちしております。
以上(2023/04/17記)