英国の双璧オックスブリッジ大学のカレッジカラーは「淡青」と「濃青」
おはようございます。
2016年1月の筆者提供によります大学に関するブログ配信記事です。
京都大学ボート部のOBOG会は、「濃青会」と称します。なぜこの名前になっているのかという話をします。
イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学といえば、アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学などと並んで有名で、良く出される各種の世界大学ランキングで常にトップレベルの優秀な大学として評価される世界有数の名門大学です。
もともとは自然発生的に学びの場が形成されていったところに、ローマ教皇の許可と国王の勅許によって大学の法的性格が定まり、一応オックスフォード大学としての正式な創立年は1167年と言われているらしいです。
そして、オックスフォード大学及びオックスフォードの街内の内紛から東のケンブリッジに逃れてきた研究者や学生たちが作った大学がケンブリッジ大学で、こちらも非常に古い歴史を持つ名門大学です。
さてイギリスの文化歴史を語るうえで外せないこの両大学は、合わせて「オックスブリッジ」と呼ばれたりします。
両校の間では、スポーツの親善試合が頻繁に行われ、中でもとりわけ有名なのは、毎年春にロンドンのテムズ川で行われるボートレース(レガッタ)です。
オックスフォード大学は西の方から、ケンブリッジ大学は北東の方から、それぞれイギリスの首都ロンドンに集い、互いの大学代表はその誇りと威信を賭けて戦うのです。
因みに、両大学は、それぞれ互いに正式名称で呼ぶこともあまりなく、「あちらの大学」とか「あの方」などと呼び合い、具体的に語らないことによって逆にそれぞれを強烈に意識します。
なんだか「ハリー・ポッター」シリーズの言い方のようですね。
「the other place, another university」などというらしいですが、この文化的背景がわからないと、ハリーポッターのラスボスが「あの方」と呼ばれるのかわからないでしょう。
因みにアメリカなどになりますと、「強そうな名前や綽名」をつけるのが流行となるようで、スポーツチームにこうした呼び名が広まったようです。
そして日本の大学にも輸入された
さて、場面を日本の大学に戻します。
大正9年9月24日に琵琶湖瀬田川にて行われた京都大学、東京大学の東西大学ボート部による第一回対抗競漕(レガッタ)が行われました。
その際、両大学の乗るボートの色をくじ引きで決めたそうで、京都大学はダークブルー(濃青)、東京大学はライトブルー(淡青)に決まりました。
当時の新聞に、京都大学は「ダークブリウ(濃青)にて牛津(オックスフォード)大学の使用せるものと同色」、東京大学は「ライトブリウ(淡青)にて剣橋(ケンブリッジ)大学のそれと同一」に決まったという記述もあるようです。
言うまでもなく、濃青はオックスフォード大学の、淡青はケンブリッジ大学のカラーです。
青色(ブルー)はボート競技に限らず、スポーツを通じた大学対校戦に出た選手には、「ブルー」の称号が与えられ、人格高尚な紳士たれと求められたというのです。
そうした異国の例に倣い、第一回対抗競漕の際、日本の両校に濃青と淡青が採用されたというわけです。
何事も、双璧といってライバル同士切磋琢磨した方が、より高みに達することができるという例なのかもしれません。
過去、その競漕で思い切り負けた筆者からは以上です。
(平成28年1月11日 月曜日)
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