ぜんぜんエコじゃないリニア事業

リニアだけで、原発半基分ぐらい電力を使います。もの凄くエコじゃない輸送手段です。

リニアを安定稼働させるには、原発1基分ぐらいの新しい電源をリニア用に用意しなくてはなりません。

しかし、断層地震で1カ所でも不通になり、修復工事が困難となれば、全線が無用の長物となるシロモノです。

リニアは、高速が売りなのですから全線開通してなんぼです。

東京―山梨山中や、名古屋―飯田などの部分営業では維持費を捻出できるわけがありません。

地震一つ、落盤一つで、全線廃線の恐れすらあるのです。恐ろしくて乗れるものではありません。

電力会社としては、東海道新幹線用の電力などと合わせて、原発1基分の電力を「JR東海専用」として買い切りにさせるような契約にしないと、リニアとともに、電力会社も経営上の危険要因を抱え込むことになってしまいます。

東京電力や東北電力で、電力が逼迫してます、原発再稼働を!などという声が増しているこの時代の日本において、たかだか1時間かそこら早く着くことにどれだけのメリットがあるのか疑問です。

ということですが、一度始めたらなかなかやめることのできない日本人のサガで、JR東海はリニア建設によって、リニアそのものの建設費10兆円に加え、原発1基分の建設費用も抱え込むことになるのでしょう。絶対に買ってはいけない株がまた増えました。

リニアモーターカー。

プレート三重会合点を貫く20キロのトンネル。流れ込む南アルプスの地下水の処理。トンネルを時速500キロで通り抜ける重量物の振動。専用電源確保。

「世界初」の難事業の複合体。麻雀で喩えるならば、ダブル役満のハイリスク技。もし、廃線になるとすれば、さらに撤退費用も必要になるので、総事業費15兆円ぐらいが水泡に帰し、同じ程度の撤退、補償費用が上乗せされるのでしょう。

それだけのお金があるならば、北海道、四国、中国地方などの赤字在来線の維持に振り向けることができるでしょう。農水畜産物の貨物輸送が実現すれば、都会の一極集中も緩和され国土全体の均衡した発展に繋がったのかもしれません。

何とか、リニアとか新幹線とか、そういう庶民には関係ない遊民路線の利益を奪い取り、生活在来線に回すような手を打てないものかと思います。

このままでは少子化まっしぐらで、国が滅ぶと思います。

以上