素数ゼミ
塾や予備校、大学のゼミじゃない
素数を選ぶという戦略で生き残る、素数ゼミ。
皆さんは素数ゼミって聞いたことありますか?
私はこの言葉を聞いて、塾や予備校かと思ったのですが、どうやらそうではないようで。。。
さて、この素数ゼミ、北米に生息する13年もしくは17年周期でのみ大量発生するセミの総称です。
これらのセミの特徴は、「その周期の年のみ発生して、それ以外は発生しない」というもの。
今年はその2つの素数ゼミが221年ぶりに同時発生する年で、4月から6月の時期に、約1兆匹のセミが大量発生する見込みだとか。。。
想像するだけで恐ろしい。。。私以外は虫が嫌いな我が家の家族は、みんな発狂しそうです
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これら素数ゼミは、他のセミに比べて飛行能力が極めて低いらしく、捕食者に見つかっても逃げる能力がないとされています。
そして、それがこの素数である13年、17年という周期に関係しているのだとか。
生物が種を保ちつづける上で、考えないといけないのは、「どうやって子孫を残すか?」ということ。
子孫を残すために必要なことを要素分解して考えると
- 幼虫が無事成長して成虫になること
- 成虫がパートナーと出会って交尾、産卵できること
- 産卵後無事孵化して幼虫になること
の3つになりますが、セミの場合、
1 → 地中生活を送ることで安全性を担保
3 → 木に穴を開けて産みつけ、孵化後は木から落下しすぐに地中に潜り込むことで安全性を担保
と、2以外は担保されているのです。
では2についてはどうしているのか?ですが、夏の限られた期間に集中して発生することで、「ある期間のある地域にいる個体数を増やすことで、オスとメスが出会う確率を上げることができる」となります。
つまり、夏の風物詩であり、夏の初めと終わりでセミの種類が変わるというのも、彼らが2についての生存戦略をとっている結果、ということです。面白いですよね。
で、素数ゼミの場合は、上述の通り、飛行能力が著しく低いことから、彼らを好んで食べる捕食者が狙い撃ちのために大量発生する周期を合わせてしまうと、捕食されるリスクが他の種よりも高くなり、種の存続が脅かされてしまいます。
2、3年周期で大量発生する昆虫は少なくないので、普通のレベルの周期ではリスクは高い。
そのため13年、17年という長い周期にすることでリスクを減らしている訳です。
そして、素数にしているというのは、ある捕食者種の大量発生周期と被る可能性が低いから。
2年周期の種と被るのは26年もしくは34年に一回。
3年周期の場合は、39年もしくは51年に一回となります。
そして素数ゼミ同士では221年に一回。
2億年前にセミが地球上に現れ、氷河期の北米で身につけた生存戦略。
そこに数学的な要素が入っているのは面白いですね〜。
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生物に学ぶ、バイオミメティックの考え方を適用すると、職場の嫌な人と顔を合わせない戦略として使えたりして。
おわり。