消臭
【消臭】
建物設備管理のお話です。建物設備管理とは、ビルメンテナンスとも言いますが、広義には清掃や警備を中心に、あらゆる建物設備に関する知見を総動員して適切な維持管理を行う生業です。今回は、しつこい玄関口の靴箱の臭い、この靴の臭いを消す一つの方法をご教示します。
靴の臭いを消す方法には、次のような方法があります。
①洗剤や重曹で洗う
靴専用の洗剤や重曹で靴を洗うと、雑菌を根本から除去できます。靴専用の洗剤につけ置きしてからブラシで擦るか、重曹と洗濯用洗剤を混ぜて漬け置きしてからブラシで擦ります。重曹は洗剤替わりとして皮脂汚れを落とす効果があります。ただし、靴の素材によっては水洗いができないものもあるので、洗う前に確認しましょう。
重曹を水に溶かしてスプレーにする 水100mlに小さじ4分の1程度の重曹を溶かしてスプレー容器に入れ、靴に吹きかけます。外側と内側の両方に吹きかけましょう。
ただし、この方法は面倒です。洗うと干さなければならないし、しばらく使えなくなります。面倒くさがりの当職はあまり使わない方法です。
②10円玉を入れる
10円玉は95%が銅でできているため、菌の発生を抑える効果があります。脱いだ靴に数枚入れておきましょう。10円玉は銅イオンという最強の除菌作用を発揮する最も手軽な方法です。筆者は、靴に入れておくとそのまま履いてしまうズボラな性格なので、靴箱の中の石鹸の上に置いています。写真は5円玉ですが、5円玉も70%くらいは銅なので、十分効果が期待できます。
ちなみに、少し専門的になりますが、銅イオンには、次のような殺菌効果があります。O157などの大腸菌やレジオネラ菌などの細菌類の繁殖を防ぎ、死滅させることができます。インフルエンザウイルスやノロウイルスに有効であることも確認されています。新型コロナウイルスは銅の表面ではおよそ30分で不活性化し、4時間後には完全に消滅するとのことです。銅イオンの殺菌効果は、水などに溶け出した微量の銅イオンが細菌類の活動を抑える効果によるもので、微量金属作用と呼ばれています。銀にも同様の効果が認められていますが、銅の方が抗菌効果が高くなっています。実は、銀の食器より銅の食器のほうが抗菌作用としては優れているのですが、少し銅特有の風味があるため、あまり食器としては使われていません。銅の抗菌性能は、生活用品やビルやマンション、戸建てなどの給水・給湯配管の素材として活用されています。その一方で、銅は人体に有害な物質ではありません。健康維持のために毎日約3ppmの銅を摂取する必要があり、摂取量が多くても人体には影響ありません。水銀飲みすぎて早死にしたという始皇帝とは違って、現代の我々は金属中毒にはかからないよう、知恵がついているというわけです。
銅や銀のほかにも、ステンレスにも
③コーヒーの残りカスを使う
コーヒーかすは活性炭と似た性質があり、天然の消臭剤として利用できます。乾燥したコーヒーかすを小さな布袋や古い靴下に入れ、靴箱に置いておきましょう。ただし、これも、コーヒーの粉を間違って蹴倒してしまう危険があるので、手先も足先も器用ではない筆者は使いません。
④日光に当てる
シューズの余分な湿気を乾燥させることで臭いを軽減できます。ランニング後のシューズを数時間、直射日光に当てましょう。直射日光に当てても、雨が降るまで取り込まない危険があるため、あまり使わない方法です。
⑤石鹸を入れておく
石鹸には消臭効果のあるものがあり、体臭対策に役立ちます。また、石鹸の香りは清潔感を印象付ける効果もあります。消臭効果のある石鹸には、次のようなものがあります。薬用ミョウバンせっけん EX:ミョウバンやペパーミントなどの成分が配合されており、腋臭や汗の臭い、足の臭い、加齢臭などの消臭効果があります。体臭対策には、ニオイの出やすい足や脇の下をていねいに洗うことがポイントです。泡を転がすようにやさしく洗い、ナイロンタオルや爪でゴシゴシ洗わないようにしましょう。足の臭いは、最強の体臭であるともいえます。そこで、靴箱自体に、風呂で使うのと同じ石鹸を入れておき、常時消臭してもらうようにしています。
結果、筆者個人の靴箱には、②10円玉ではなくて5円玉とステンレスの文鎮、そして⑤石鹸、が入っています。実は、これだけで、靴箱の臭いがかなり低減されました。消臭スプレーをいつも吹きかけていたのに比べると、格段に楽な設備管理になっています。
現在の本職は、設備管理業。ビルメンおやじの記事でした。
汚物は消毒だ~(違う?)
以上