面接官が人工知能すなわちロボットになる時代がもうすぐやってくるという話です

おはようございます。

英語がなかなか上達しない筆者からの人工知能に関する2018年5月の配信記事です。

先日、初めてTOEIC S/Wテストというものを受けてみました。

これは、一般的なTOEIC L/Rテストではかる聞く、読むとは違って、話す、書くという能力を見るためのテストです。

どうやって受けるかと言いますと、パソコンの前にヘッドフォンをつけて座って、画面に出てくる指示にしたがって、文章を読み上げたり、何かに関することについて英語で話をしてください、という指示に基づいてパソコンに向かって話しかけたりするというわけです。

そして、書く能力については、筆記用具で書くというわけではなくて、こちらもパソコンのキーボードにテーマに沿った英文を入力していくということになります。

これは、完全に試験官がコンピューターに置き換わった試験の例でしょうが、これが、もはや通常の企業の電話面接にも応用され始めてきているというのです。

人材を採用するコストは、年々上昇の一途です。

憧れの仕事にありつくために、企業側としては将来を託せる良い人材に出会うために、企業の採用面接というのはあちこちでセットされていますが、この中で、特に最初の段階における電話面接レベルでは、すでに電話の向こうの面接官がAI(人工知能)ロボットであるという可能性があるのです。

ロシアのAIスタートアップの企業に「Stafory」という名のものがあります。

その共同創設者、アレクセイ・コスタレフ(Alexei Kostarev)氏によると同社開発のロボットである、コードネーム「ベラ」は人工知能(AI)アルゴリズムによって作動していて、実際にロシアの大手企業数百社の委託を受け、ロボット面接官として日々活動しているというのです。

ベラのプログラムには、人間同士の面接の事例数百万件および、オンライン百科事典である「ウィキペディア(Wikipedia)」の全項目、そして様々な世界中の書籍16万冊を使った強力な機械学習プログラムが組まれたといいます。

当然ですが、採用活動には膨大なコストがかかります。

そして、常にコストダウンを行う存在である企業側にとって、24時間、一定のパフォーマンスを出し続けるロボットの面接官というものは、大変魅力的に映ります。

なにしろ、面接をセットするという手間、こちらから人間という面接官を派遣するというセッティングの手間が一切かからず、そして面接官は文句をいわずにずっと面接を受け続けることができるのです。

当初、この人工知能は電話面接において、彼らの造物主が与えた「台本」にのっとって話を始めていたといいますが、すでにその段階は乗り越えているということです。

つまり、この人工知能は面接を受けにくる志願者がいかなる回答をしているか、「理解」してそれに応じた問いかけを行い、採用側の要求に従った格付けを瞬時に行なっているというのです。

これは、採用プロセスの大幅な迅速化とコスト削減、双方の効果が期待されます。

また、海の向こうの米国においては、もっと凄い話があります。

米国人工知能関連企業であるジップ・リクルーター(ZipRecruiter)は、100サイトほど同社サービスの提供を受けている求人広告ウェブページに、具体的な求人が掲載されると瞬間同時に、リアルタイムで選考を開始するというサービスを行なっています。

つまり、顧客側が、自社のウェブサイトなりで「このような人材を募集します」と銘打った瞬間、ジップ・リクルーターに登録されている1000万人クラスの求職者プールから、その求人にもっとも適合する人材候補を、人工知能アルゴリズムが検索して選び出して提案するというわけです。

採用側は、こうした事実上の一次面接済みの志願者リストを瞬時に入手しますので、採用業務でもっとも必要な、採用プールを作ってそこから応募者をひねり出す、というもっとも手間のかかる業務を一気に代行してくれるということになるのです。

さらにこの人工知能アルゴリズムの優れたところは、この志願者リストで実際に採用に至った候補者の特性のフィードバックを受けることにより、サービス時間の経過によりさらに企業側が具体的に求めている人材像をアルゴリズムが機械学習でより明確に認識し、トレンドすら把握するということなのです。

このように、全ての履歴を機械が把握し、機械側で勝手にPDCAサイクルを高速に回し続けるというのが機械学習の強いところですが、さてこのような仕組みを人間側がいかにして使いこなしていくか、これ自体が大きな戦いになっていく予感がしています。

かつての新卒採用において、採用責任者よりキワモノ採用枠であったと耳打ちされていたところであり、それを受けて内定式の挨拶では「関西同期8人中の9番手」と挨拶させていただいたことが懐かしく思い出されるそんな筆者からのコメントは以上です。

(平成30年5月1日 火曜日)

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