アマゾン配送サービス争奪戦

ヤマト運輸撤退後のアマゾンの配送サービスの争奪戦の動き等について

おはようございます。

2017年7月の熱い経済戦争に関する筆者の観測記事です。

ヤマト運輸が撤退したアマゾンの当日配送等のサービスについて、その後の各社争奪戦が激しくなってきています。

ヤマト運輸は、全体のセールスドライバーの確保困難から、総量規制として荷受け数を減らし、アマゾンのプライムサービス(年会費を取って顧客にワンランク上のサービスを提供するアマゾンのサービスのメニュー)が掲げる当日配送サービスからは原則撤退する方針です。

ヤマトが口を離した、この巨大なアマゾン当日配送サービスについて、そこに群がる進行配送業者の戦いが始まりました。

中堅物流企業である、丸和運輸は配送車とドライバーの確保に躍起です。

桃太郎便で展開する宅配事業をこの機会を利用して最大限に伸ばすべく、軽自動車(ワゴン車)を買い漁っています。

宅配大手が運ばない施主からの厳しい要求である当日配送、この魚影に果敢に食い込む地域限定の配送サービス会社は、企業を物流業務を一括してアウトソーシングを請ける形で急成長した、いわゆるサードパーティーロジスティクス(3PL)と呼ばれ、この3PLが急速にアマゾンらのインターネット通販大手の当日配送のニーズに食い込み、宅配市場に続々参入しているのです。

こうしたサービスの典型として、アマゾンがヤマト運輸との一括契約を解除した後に打ち出した、通称デリバリープロバイダ制度による新規参入です。

個別に地域を区切ってアマゾンと配送契約を結ぶ

これは、アマゾンとあらかじめ定めた地域限定で提携する配送業者のことで、これは全国一律料金で過疎地も大都市も等しく配送網を構築した大手3社(国鉄のようなもの)を尻目に、自らの業務範囲と定めた地域ドミナント戦略を取り収益化を目指す、いわば地域の私鉄のような配送網を構築するわけです。

宅配便の数は急速に増えており、2017年現在では年間40億個の配送物が日本中を駆け巡っています。

そして、この市場シェアは約9割をヤマト佐川日本郵便の3社で占めているわけですが、こうした地域ドミナント戦略を打ち出す新興勢力が、アマゾンのような大手インターネット通販会社と個別に契約し、彼らの高度な要求に(地域限定ながら)対応すべくしのぎを削っているのです。

アマゾンの倉庫業務や宅配が売上高の7割を占める物流会社のファイズは2013年に創業し、わずか4年で上場を果たしました。

そのほか、TMGやSBS即配サポートといった勢力が続々と続いています。

大手がやらない当日配達、ヤマト運輸や佐川といった大手は、通販の荷物も、全国一律の自前配送網で運んできました。

ここに食い込む新興勢力は、個別の通販会社に合わせ、企業向けカスタマイズと配送しにくい地域は契約しないという選別で、地域限定の競争優位を確立するのです。

狭いエリアに絞って当日配達に特化すれば、その地域では大手に勝てるというわけです。

人手不足という状況から大手が撤退した領域に別のサービスで切り込む、こうしてビジネスは進化していくのだと思います。

ちっとも発想が進化しない後追い記事と後講釈な筆者からの記事は以上です。

(平成29年7月21日 金曜日)

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