南樺太と千島列島と北方領土

独立行政法人北方領土問題対策協会HPより

北方領土の実効支配を解かなければ経済協力する道理が立たないと思う話です

おはようございます。

本日は2016年12月15日午前0時です。

本土決戦は沖縄だけではなく、南樺太、千島列島、北方領土でも行われました。

最近「空気を読んではいけない」という本を読んで少しばかり意を強くしたので、今回はできるだけ空気読まずに自分の考えを素直に出してみたいと思います。

北方領土とは、択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島のことです。

これら北方四島は、1945年にソ連に法的根拠なく占拠され、ソ連が崩壊して、ロシアとなった2016年現在もその状態が続いています。

ロシアのプーチン大統領と日本の安倍首相との山口県長門市における会談が迫ってきました。

安倍首相は2016年7月、札幌市での街頭演説で、ロシア側と調整中のプーチン大統領の訪日日程について「今年来日する」と明言しました。

ちなみにその前の2016年5月にロシア・ソチで行われた首脳会談において、「最も適切な時期を探る」ことで両国は一致していました。

プーチン大統領の訪日が実現すれば、ロシア連邦大統領として2005年11月以来となります。

ちなみに、2005年11月にロシア連邦大統領として来日したのも、同じプーチン氏であり、この時の日本の内閣総理大臣は小泉純一郎氏でした。

なんだか日本のトップは小泉氏以降ころころ変わっておりますが、かの国はずっとプーチン氏が握っているという感じです。

大統領になったり、首相に一旦スライドしたり、いろいろしていますが、明らかに同氏が事実上の同国の最高権力者であることは間違いありません。

そして、その11年ぶりのロシア連邦トップの訪日ですが、現在、日米欧が連携してウクライナ問題でロシアを制裁対象としているという状況であることから、会談場所は公式訪問の意味合いが強く出る(要するに目立つ)東京や京都ではなく、安倍首相の地元でもある山口県の長門市が選定されました。

当然、日本側としては、安倍首相も言明したように、「プーチン大統領としっかりと交渉を進め、北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結する」ことを求めていきます。

しかしながら、トップ同士の首脳会談前に至って、事務レベルでの事前交渉は冷え切っているようです。

改めて、2005年11月の日露首脳会談の内容を北方領土関係に絞って以下再掲します(外務省より)。

北方領土問題

(1)小泉総理より、1956年の日ソ共同宣言、1993年の東京宣言、2003年の日露行動計画等の諸合意はいずれも極めて重要かつ有効であり、これらに基づいて平和条約締結交渉を継続していく必要がある、日露両国には、四島の帰属に関する問題を解決して平和条約を可能な限り早期に締結するとの共通の認識がある、その意味で真剣な話合いを行うことは重要である、日露双方が受け入れられる解決を見いだす努力を続けていきたい旨述べた。

(2)これに対してプーチン大統領より、この問題を解決することは我々の責務である、ロシアは本当にこの問題を解決したいと思っている、平和条約が存在しないことが日露経済関係の発展を阻害している、その一方で、この問題は第二次世界大戦の結果であり、他の問題への連鎖という難しい問題がある旨述べた。

(3)両首脳は、平和条約締結問題につき、これまでの様々な合意及び文書に基づき、日露両国が共に受け入れられる解決を見出す努力を行うことで一致した。

(4)小泉総理より、国後島沖で拿捕された「第78栄幸丸」の速やかな解放を要請したのに対し、プーチン大統領より、解決できない問題はない旨述べた。

ここを出発点として、どう解決するかということが問われています。

これまで、安倍政権となりロシアとの交渉の中で、日本側は、新しいアプローチとして経済協力を積極的に行いロシアに恩恵を与えれば、必ずや日本の望んでやまない領土問題をついて「考慮」してくれるはずだ、と考えてきた節があります。

すなわち、安倍総理は、日本の従来の立場である四島返還のためには、政治経済不可分に交渉してこなければならない、という「政治経済不可分の原則」を捨てて、北方四島が返還されるかどうかとは別に、極東開発という、日本がロシアに餌を撒くことで、経済協力を行い、日本の「言わずもがな」の四島返還に結び付けたいと、強く思ったのです。

しかし、そうは問屋が卸しません。

ロシアが望んでいるのは、経済協力を彼らが言うサハリン(日本では樺太と呼ぶ)やクリル諸島(日本では千島列島と呼ぶ)で前進させてくれるのは本当にありがたい、そのための平和条約締結もしたい、でも領土問題については1956年日ソ共同宣言におけるちっちゃい方の2島(歯舞諸島と色丹島)の返還のみが軸になりますよ、と言っているだけなのです。

極東開発はロシアの主権の及ぶ北海道以外のすべてが含まれ、ロシアの法的枠組でどんどん外資の導入をするので、日本は外国として積極的に投資してくださいね、と言っているだけなのです。

その総仕上げとしての平和条約締結時において、ロシアからの特別な恩恵、施しとして、色丹島と歯舞諸島は両国平和の象徴として格別の恩寵として差し上げましょう、と言っているに過ぎないわけです。

勝手に期待しておいて、勝手に失望していては、何も進まないような気がしますが仕方ありません。

だったら、経済協力もしない、ということで必要十分ということになります。

そして、日本がロシアに対して、固有の領土であるという四島に対する日本の領有権を確立するということであれば、まずは主権の行使として、自衛隊による実力制圧を考えるべきということになります。

これは、憲法の禁じる戦争ではありません。

どの国も固有に保有する自国を防衛するという自衛権の行使です。

日本国の主権が及んでいる範囲において、不法に外国が長期にわたって占拠しているわけですから、自衛権の行使として、当然に憲法も認める範囲の実力行使を図らなければならないということになります。

もちろん、自衛隊の将兵(隊員)の数万人規模の犠牲や、東京大阪名古屋京都札幌仙台福岡といった大都市に核兵器が向けられ、実際に打ち込まれるリスクを背負っての重大な決断となります。

しかしながら、日本の端っこだからと言って、主権に濃淡などありません。

これが仮にロシアに限らず外国によって皇居や京都御所、伊勢神宮や秋葉原が占拠されて、日本人は入るなと言われればほとんどの日本人は立ち上がるのではないでしょうか。

日本が取っている「固有の領土」という立場というものはそういうことではないかと思っています。

ここまでの覚悟を見せて、かつ国際司法裁判所に訴える等のあらゆる国際的アプローチや経済的「餌」もチラつかせつつ当たらないと、生き馬の目を抜く国際社会での名誉ある地位は保持できないという時代に来ていると思います。

75年前に始まった先の大戦末期において、本土決戦が行われたのは沖縄だけではありません。

沖縄だけではなく、樺太も、千島列島も、そして北海道の一部といえる北方四島も、すべて本土決戦が行われた凄惨な地でした。

日本国は、先の大戦で米英欄仏に対してはきっちりと国家の意思をもって開戦を決議して戦いました。

しかし旧ソビエト連邦に対しては日ソ中立条約を守り、開戦していません。

それでありながら、相手は日ソ中立条約をヤルタ密約で一方的に破って攻め込んできたのです。

このようなことが通用するならば、日本が樺太全島とカムチャッカ半島までまとめて実力で占拠しても良いわけです。

国際社会の信義上も、許しがたいそのような歴史的事実があった、ということは改めて記しておきたいと思います。

改めまして、2016年12月15日の日本国山口県長門市における日露首脳会談、大変注目しています。

領土回復をライフワークとして願っております一国民であります筆者からは以上です。

(平成28年12月15日 木曜日)

▷▷次の記事は

改めて日本の国土でありますところの北方領土について(前史)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です