アベノミクスなる造語

2013年の後半に作られた「アベノミクス」なる造語について解説しておきます
おはようございます。
2013年10月の経済政策に関する配信記事です。
2013年の後半、造語の好きな日本人が、エコノミクスと新首相の安倍首相の経済財政政策をかけてアベノミクスと命名しました。
これは、有効需要の創出のために日銀にこれまで以上の急激な金融緩和をさせて経済主体のすみずみにまでカネを行き渡らせる、というよりカネ漬けにしたうえで、有効需要創出のためのまず公共投資を思い切って行うことと要約されます。
戦後ドイツのハイパーインフレのような歴史上の教訓が示す通りこれは劇薬ですが、20年以上もデフレに苦しみ人口構造にも停滞から退潮の兆しがはっきりしている我が国では、これくらいやらないとデフレを終わらせることができないと見たのでしょう。
そして、インフレ予想値を2%という値に明示的に設定して、それに向かってあらゆる政策動員をかけるということです。
ポイントは、あくまでもインフレ「予想」が高くなるのであって、実際のインフレ率が高くなるわけでないことです。
実際のインフレが急速に進んではもう戻れません。
戦後のドイツの二の舞で日本円通貨の信用は地に堕ちます。
この場合の政策目的は、あくまで実際のインフレ率は後から高くなることで、予想が変化すること自体が重要となります。
インフレ予想が高くなっても名目金利は政策的に据え置くので、実質金利(=「名目金利」マイナス「インフレ予想」)はますます下がります。
資産市場は先読みして反応し、円安・株高に振れることになるはずです。
2012年冬の衆議院総選挙で安倍総裁は、実際に金融政策を行ったわけではないにもかかわらず、民主党にはない金融政策をするとの予想を市場にもたらし、円安・株高を実現しました。
実感は特にないままに、日経平均が1万円を大幅越えて来ています。
ただ、実質金利が下がって円安・株高になっても、当然有効需要の増加はもっと後になります。
経済理論的には実質金利低下で円安、輸出増、株高、消費増、設備投資増とつながっていくはずですが、輸出や設備投資に火がつくのは政策変更から1~2年、場合によっては3年程度かかるというのが統計的な予想となっています。
そこで、安倍政権としては時間との勝負になります。
安倍総裁の試練は実は2012年冬の衆院選ではなく2013年7月の参院選となりましたが参院の過半数も確保し今のところ長期政権が見えています。
しかしぶち上げた安倍首相の求める政策目標が達せられなければ、前回首相時と同じ蹉跌を踏むことになります。
アベノミクスまずは実施に向けた体制は整いましたので早期に結果を出すことが2013年末までの政治経済日程となり注目となります。
時間は残されていないようです。
こちらからは以上です。
(平成25年10月25日)