最近の新卒就職活動状況

転職ファストパス

2023年に生まれた新生児がわずか75万人に激減してしまった老人大国、日本。当然に若手就労者の不足感は著しく、就職氷河期などなんのその、新卒就職活動戦線も様変わりしています。

大学生の息子から、イマドキの就職活動事情について聞きビックリ。 例えば、A社の内定が出たものの、それを蹴って別のB社に就職する場合。昔だったら灰皿を投げられる修羅場シーンだが、今時は「プライオリティ・パス」がもらえる場合もあるらしい。 さて、その「パス」の内容はといえば、新卒の際、別の企業を選んでも、3年以内に転職を考えたり、離職した場合は、A社の中途採用就試験を最初から全部受けるのではなく、最終面接のみで再挑戦できる、というもの。 なるほど。企業としては新卒時に採用したいと思った人材を一旦は逃したものの、新人研修等を別の企業でやってもらい、社会の厳しさもちょっとは理解したところで戻ってきてくれると考えたら、コスパはむしろ良いのかもしれない。 「ウチでなくあっちを選ぶなんて、何様のつもりやねん」などという変なプライドを持つよりも、「懐深い感」を出した方が、企業イメージもアップ。 中途採用に関しては、求人情報を出すより、ヒット率は高い気がする。中長期的な人材確保という点では今後広がっていくのではないか。 ・・って、もしかしたら、こうした労働市場においての「ファスト・パス」「プライオリティ・パス」やそれに準じた「パス的なもの」があることは、すでに世の中では「常識」なのかもしれないが、全くキャッチアップできていなかったな。 一生、一企業で職業人生を全うすると思っている学生はほぼいないだろう。終身雇用をどんなに望んでも、AI技術の発達等でその職自体がなくなってしまうなどということもままある。 20年後、50年後、「働き方」だけでなく「働く」という概念も、今とは全く違うものになっているのだろうな。