生き方

【生き方】OJTとは On the Job Training (オンザジョブトレーニング)の略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法のことです。仕事を教えるとは、どんな言い方をしようが、結局このOJTに収斂するものだと思っています。トレーニング、というと固いですが、要するに、職場に配置されたらまず、「見(ケン)」に徹し、みんなの動きをよく見ておけ、ということです。そしてそうした先輩たちのやりようを、最初は適当に見様見真似でやり始める。「型」を学ぶわけですね。その行いがなぜなされるのか、長い事業歴史に裏打ちされた奥義やノウハウがあるわけです。なぜそのように作業が進むのか、打ち合わせは行われるのか、顧客に商品やサービスが適切に届くのか、全てに意味があるわけです。型を覚えないと、型破りにはなれないのです。着崩して粋に振る舞うには、キチンと着ることを覚えないとできないのです。同じように、そもそもの人間の生き方、についてもOLT(On the Life Traning(オンザライフトレーニング))と言って良いのではないか、というのを仲間との問答の中で教えてもらいました。見つけた、という感じです。多くの人生の先達であるところの、教師や親や雇用主や経営者、なかんずく祖父母や家長や長老や元老といった立場の者は、何らかの、己を含めた人間を統率する術を心得ています。その教えを教育と称して敷衍するといったことは、古来から普通に、そこらかしこで行われていました。心の師につくこと、人生を語り合える仲間を持つこと。敵味方にすぐ分類せず、できるだけ奪わずこちらから心を開くこと。そういう人生の基礎技能を感得する場はいつの時代も、どの人でも等しくやってくるものだと思っています。OJTでは、実際の業務環境で仕事を行いながら学ぶため、理論だけでなくすぐ役立つ実践的な技能が身につきます。実際の仕事の流れに沿って学習内容が決まるため、広く業務に深く特化した知識やスキルを柔軟に身に着けていくことができます。そして、現場で必要とされるスキルをその場で習得し、自らもトレーナーとして、自立することができます。OLTでも、それは全く同じではないでしょうか。すなわち、生き方の理論理屈だけではなく、すぐ役立つ実践的な取り決めや習慣、技術が身につきます。実際の人生の瞬間瞬間に沿って柔軟に学習内容が決まりますから、長い人生に深い考察を加えることができる根気や技能が身につきます。そして、人生の都度都度の現場で必要とされる心の整え方をその場で習得し、自らも他者の壁打ち相手になって、お互い自立することができます。自律です。自我自尊。一挙両得。写真はリクルートの江副さんのモットー。自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。以上