(2020/02/02)日本の空港の名称(愛称)を調べてみると大変面白く日本の文化論まで展開できると思ったお話をします
おはようございます。
2020年2月はじめの、改めて令和2年の残り11ヶ月を前向きに生きるための記事です。
LGBT🏳️🌈の「性の多様性」と同じく、これからは「教育の多様性」も重要になるはずだと思っています。
みんな同じ学校で、同じ授業で、同じ達成基準でやらなくもいいんじゃないか、と思うわけです。
明らかに、社会に出たら、多様性ということが言われます。
ですが、日本の小学校から高校教育までにおいては、同じ制服に身を包み、大教室での授業風景が展開されます。
各児童や生徒の学習進度は、教科ごとに、全く異なるにもかかわらず、です。
さて、そんな多様性万歳、という論調で書いていながら恐縮ですが、本日は、多様化しすぎてよくわからなくなってしまった、日本の地方空港の名称、について少々長くなりますがご紹介させていただきたいと思います。
日本の空港はだいたい100くらいありまして、その空港ごとを路線で繋ぐ、航空路線図、というものがあります。
文字通り、空の交通網を地図に落としたものなのですが、この空港(駅や港のようなものですね)になってまいります、各空港のネーミングが、これまたよく見ると面白すぎるのです。
あくまで、正式名称は世界共通の名称にしていないと、海外の航空会社にはわからなくなってしまうので、正式な名称とは別に「愛称」を付与しているという形なのですが、この中途半端な自由度がまた、珍妙なネーミングを誘発しているという何よりのアシスト機能を果たしているような現状です。
とにかく、長い、PRしたい、なんか有名なものにのっかりたい、あやかりたい、というのはよくわかるのですが、とにかく付ければいいというものではないと思うわけです。
じゅげむ(寿限無)という落語にもあるように、絶対に恥ずかしくて読んでもらえない様な名称もありますので、ご紹介させていただきます。
まず初っ端、①正式名称は庄内空港。愛称は、なんとおいしい庄内空港です。
何が美味しいのか不味いのか、概念が広すぎて、海外渡航客も度肝を抜くネーミングです。
庄内の「何が」美味しいのか、それすら諦め「おいしい」ことが伝われば良いという、おいしいネーミングを庄内平野のみなさんがかっさっていきました。
この勢いで、東北中に、おいしい、うまい、きずな、つながる、いきいき、きらやか、みどり、みたいな広くて耳に心地よいけど何のことやらわからない、そういう平仮名空港が増えていくのでしょうか。
ぶっちゃけ、地方ならどこでも言えそうな「おいしい(ものがたくさんある)地名」を、山形県庄内市がそのお株を奪う事態に。
結果「何が美味しいのか伝わらなくて一切よだれの出ない」空港名になってしまっているという、いろんな忖度を孕んだネーミングセンス。結果「Deliciousな庄内」という、難しい日本語の使い回しに、外国人なんかは、きっと庄内が食べ物だと誤解しちゃうという事態にまで発展。
次に、②正式名称は小松空港。愛称は、何と小松(金沢・福井)空港です。
もはや愛称でもありません。
単に、地名をくっつけただけという、これも驚きのネーミングです。
京都大阪神戸駅、なんて言ったら駅が3つあるんじゃないか、と間違われてしまう様な地名3連発、だんご三兄弟ネーミングですが、これは、小松といってもイメージが貧困だと思った地元の人が、近場の観光地に空港がないことをいいことに、地域をまとめてジャックしてしまおうと、何となく観光で人が来そうな金沢と、ついでに県名の福井も奪ってしまえと言わんばかりの強欲ぶりです。
全部地名を並べるくらいなら、いっそ「北陸空港」とでも開き直ればいいのではないかと思ったのですが、それは越後の虎、新潟空港が死んでも許さない、という態度を硬化させることは必定であることを「察し」た小松近辺の人たちが、私たちは富山や新潟に侵食するつもりはございませんよ、せいぜい、金沢市と福井県くらいでとどまっていますので、えへ、みたいな、金沢の人気を捨てきれず、とはいえ小松の歴史を守らざる得ない中で、わざわざ( )までつけて、小松(金沢・福井)空港と名付けるセンスは、最も忖度を感じる日本のローカル空港名、第2位と言って過言ではございません。
続きまして双子?の登場です。
③正式名称は岡山空港で、愛称は岡山桃太郎空港、そして、正式名称は米子空港で、愛称は米子鬼太郎空港です。
この2つは、おそらく中国地方同士、後で番外編で述べる鳥取砂丘コナン空港とも相まって、それはもう地域で地方で切磋琢磨しながらアイデアを競い合って「地方創生のためにはとにかく空港に何かの愛称をつけることこそが正義ッ!」というとても前向きな議論の中で、おじさんたちが頭を捻って考えた結果、出てきた忖度だと思われます。
もう、古くからの桃太郎による鬼退治と、昭和時代に水木しげる先生が復活させた妖怪たちのコラボレーションが絶妙で、もともとの正式空港名があいまって、もはや桃太郎と鬼太郎の名字みたいになっております。
ちなみに、ゲゲゲの鬼太郎の初回登場時は「墓場鬼太郎」ですから、何だか鬼っ子のような米子鬼太郎の名前は、これだけで独立したキャラクターをアニメ化できそうな可能性すらします。
そして、岡山桃太郎空港。全国の岡山くんに同じ名前が今後付けられると、まさに人名、桃太郎電鉄もびっくりのコラボレーションが完成します。
最後に番外編で、④正式名称は鳥取空港で愛称は鳥取砂丘コナン空港をご紹介します。
コナンと言えば未来少年コナンとしか思えない、いつも事件に巻き込まれる死神少年の探偵ものである、「名探偵コナン」の作者の出身地が鳥取ということと、数万年前からある日本唯一の砂丘を、鳥取名物とばかりに前面に押し出し無理やりくっつけるこの強引さが、まさに真実はひとつ!鳥取砂丘コナン!!とまで昇華されるのではないかと思われ、こちらも日本空港忖度ランキングにしっかり刻まれることになりましょう(筆者調べ)。
それでは、九州にあります、正式名称は佐賀空港、愛称として九州佐賀国際空港を名乗っている、あえて存在感を主張したいと願う佐賀県民に寄り添い、吉野ヶ里遺跡や佐賀平野、そして唐津城に早稲田大学開祖の大隈重信の出身は佐賀、と、ロマンシングSAGAを最後にアッピールして、この記事を締めたいと思います。
実は、ここだけの話、鉄道おたくのこちらからは以上です。
(2020年2月1日 土曜日)