児童手当廃止。これでは子育ては罰ゲームでしかない(2021/06/23)

crop person touch palms with newborn baby on gray backdrop

高所得共働き夫婦にとって子育ては罰ゲームだ

子育ては、タイヘンな、喜びです。というキャッチフレーズもありましたが、高所得者が子どもを持っても、「児童手当無し、高校無償化も対象外」という罰ゲーム状況にあるのはなんとかならないのでしょうか。

よく働き、給与をもらうということは、高額の税金を払い、そして高額の保育料を払った挙げ句、児童手当もない、奨学金も対象外、そして高校の授業料無償化の対象にもならないという、高所得者ほど子育て負担の大きい日本は、本気で少子化改善する気などみじんもない、と勝手に喝破しています。

少子化対策は、すでに国際的課題ですが、その中でも少しでも子どもが増えている国は制度を生み出す理念や発想が違うと謹んで指摘させていただきます。

子育てするために一生懸命共働きで働いて、保育園に入れて、そして小学校から中学校、そして義務教育ではないけど高校まで無料、大学以降は子供が自分で奨学金含めて進路として「選べる」ように人格形成と教育を行う、そんなのが理想だと思うのですが、どうも、子育てに向かわない施策ばかり目白押しになっていませんかね。

オリンピックで酒の提供?

例えば、東京オリンピック2020をやるに際して、酒の提供を選手村や開会式では行う方向で政府は検討しているとのことですが、今まで「外でも集まって飲むな」だったのは何だったのかと思います。IOCの役員貴族の酒盛りはいいのでしょうか?何のためのスポーツ?何のためのオリンピック?

オリンピックのスポンサーには、酒の会社も入っているでしょう。だからといって、禁止していた酒を出すのでは、それは人格が問われます。そんなことより、将来の税収の種になる、子供世代やこれから生まれてくる子供世代に対して大いに課金すべきだと思います。

それよりも、オリンピックより小学校の運動会をやるべきだし、オリンピックの開会式で酒出す前に近所のご飯屋さんでビール出しましょう。それが子育てというものではないでしょうか。

さらに、すでにご存じの人も多いと思いますが、世帯主の年収が1200万円以上の世帯の児童手当を廃止する、改正児童手当関連法が2020年5月21日の参院本会議で賛成多数で可決、成立してしまいました。世帯主の年収が1200万円を超えるだけで、子供が5人いようが10人いようが児童手当は廃止です。

その不公平さ、制度のいびつさについては論ずる間もありませんが、国会議員は高齢者の代表よろしく「賛成多数」ということで簡単に通ってしまいました。

高所得世帯は子育てうんぬんの前に、すでに「所得税+住民税+社会保険料」を所得に応じて普通の人よりも多く払っています(所得税は累進税率、住民税は一律10.21%、社会保険料は標準報酬月額、つまり月収に連動)。

子育て世帯に重要な保育園料も住民税額に連動しており、0~2歳児の場合、たとえば私が住んでいる自治体では幼児一人あたり最低8500円/月ですが(生活保護・非課税世帯を除く)、高所得世帯では最高7万円/月です。

それだけのものをすでに支払っているわけです。もう、全国民平等の人頭税にすべきだと筆者の鈴木は考えています。

自助努力を放棄するような制度では、ぶらさがりのお荷物、大きな子供の大人や高齢者ばかりになり、将来の世代の明日など見えてこないと思います。

異常事態への怒りを禁じえませんこちらからは以上です。