大河ドラマのタブーについて

2022年の大河ドラマは鎌倉殿の13人と称して、源頼朝なきあと成立した集団指導体制の主人公13人を取り上げつつ、要するにその12人をぶっ殺して最終的に執権得宗として絶対権力を握る北条義時を描きます。

北条義時は北条時政の息子でこの13人の中で一番若かったのが、最後に効いてきました。最後の最後には、実の父親の時政も政治的に対立して葬り、そして北条家の2代目のくせに自身が初代のようなふりをして、そのまま絶対権力者に君臨しました。

天皇の取り巻きの朝廷が任命する征夷大将軍を補佐する執権という役職を新しく創設し、そしてその執権職を独占する得宗という一族最右翼を組織し、絶対権力体制を確立しました。1185年に鎌倉幕府が成立してから、いつのまにか、源氏の棟梁の将軍ではなく、実は平氏の北条氏が、執権として事実上の鎌倉殿になり、1333年にその得宗専制体制が崩壊し鎌倉幕府が倒れるまで、だいたい100年間超の時間を北条家が日本のかじ取りを担います。

さて、こんなネタバレ、主人公以外全員ぶっ殺すというのだと全く面白くないのですが、そこはなんとなくキャスティングの妙と台本の面白さで、時折ナレーション死(ナレ死)を挟みながら物語は進んでいくのでしょう。

そして誰もいなくなった、のガチの権力闘争、とくとご覧あれ。鎌倉時代といえば、もうかなり前の話になりますから、さまざまな政治的立ち位置や歴史認識をもつ、このめんどくさい日本国民を前にして、精一杯忖度したNHKさんの力に期待しています。

どうせなら、天皇も朝廷も、将軍も何もかも否定して安土城に絶対権力を現出させたところの無理もたたって、さらに日本(ジパング)をローマ教皇に神の国として献上したかったゴリッゴリの反宗教改革の使者(刺客)、スペインポルトガルのイエズス会の皆さんとの闘争の中、本能寺(当時)の隣にあった南蛮寺から差し向けられた暗殺部隊と爆薬部隊に一気に爆殺されたとみられる(そのあと明智光秀が到着)織田信長さんの大河ドラマが見たいのですが、大人の事情によりそんなのはなされないでしょう。だから自分で作るしかないと思っています。

以上