ウクライナと北朝鮮(ミサイル技術供与?)

北朝鮮の弾道ミサイル発射実験とウクライナの関係

また北朝鮮が近距離弾道ミサイルと見られるものを一発発射しました。

「ウクライナのどさくさになんてことするんだ!」が我が国の反応で岸防衛大臣もそのような声明を発表していますが、物事にはかならず理由があるので、むしろ北朝鮮にしては今だからやったのではないかと思います。

北朝鮮の弾道ミサイル技術の多くはウクライナから来ているのはその筋では有名な話です。

特にICBMなどの大型の液体ロケットエンジンはウクライナのそのまんまとも言われています。

写真1(上)は最近完成しサウジアラビアに輸出されるウクライナのGrom2ミサイルです。(英語名:Thunder 2)
写真2(下)は北朝鮮の北極星2号ミサイル。まだ北朝鮮側から画像が公開されていないの今回がこのミサイルかは断定出来ないものの、一連の流れからこのミサイルかその改良型と見ていいと思います。

似ていますね。

もちろんこれは元になった技術がロシアのイスカンデルミサイルなので、当たり前ではあります。

もともとウクライナは旧ソ連時代に弾道ミサイル研究の中心の一つだったのでその技術も残っているはずです。

そして、外貨獲得の手段として、遠慮なくこの技術を売っているのもわかります。

北朝鮮は今年の1月に旧に何発もの弾道ミサイル実験をしました。

普通は時間があるから、一発射って、色々データを収集してそのデータを生かして更に実験を続けるのが本当ですが、時間を上げずにバンバン射つのは、今回の発射には別の理由があるのではないかと思います。

ウクライナのGrom2の射程はサウジへの輸出モデルが280kmとされており、ウクライナ国内向けで500kmと言われていますが、北朝鮮は北極星1号から2号にするまでに大型化をしており、本当の射程はより長いとされています。

Grom2の射程500kmだとウクライナからギリギリモスクワが射程に入ります。

しかしながら、そんなロシア領に近いところに配備は出来ないのですが、仮に750km位まで射程を伸ばせればクレムリンのプーチンに一発かませる事も出来そうです。

弾頭には?原爆は無理としても、チェルノブイリほかの原発の高レベル核汚染物質なら、同じことでしょう。

もちろん、通常弾等でもプーチンを椅子から転げ落ちさせる程度は可能でしょう。

今回の北朝鮮での実験では最高高度600km、水平距離は300kmとされています。

ですので、この型の弾道ミサイルの原型がウクライナに残っていると考えれば、これで射程が十分、あとは弾頭を考慮すれば十分モスクワのプーチンと対峙することができる、この実験をウクライナの代わりに北朝鮮が肩代わりしてあげた(もちろん報酬は十分はずんだはず)と推測するのはいかがでしょうか。

ロシアのウクライナ侵攻に関する中国の反応は微妙です。そして、北朝鮮にとってロシアとウクライナを天秤にかけるとなると、脅すだけでなんの援助もしてくれないロシアよりはウクライナのほうが大事(マシ?)と考えてもおかしくはないのです。

国際社会は複雑怪奇です。

どんなケーススタディよりも現実の課題が一番の訓練になります。

引き続き、注視して行きたいと思います。