(2019/06/22)会社の意思決定を究極までスムーズに行う究極の自己決定方法について(フリープラス社の事例研究記事)

おはようございます。

2019年(令和元年)6月の、会社の意思決定を究極までスムーズに行うためにはどのようにすれば良いかということを論じてみたい筆者からのブログ配信記事です。

会社の意思決定をどうスムーズに行うのか、これは、企業組織運営における永遠の課題です。

しかしながら、それって難しいよね、いろいろあるよね、永遠の課題だよね、と言い過ぎると、だいたい現状の追認で良いのではないか、となり、進歩が止まり、停滞し、衰退してそして死ぬか危機に陥るのは、人生も企業組織運営も全く同じだと考えています。

さて、究極に健全な意思決定プロセスを持つ会社とは、意思決定までのプロセスに手待ち時間がなくて、具体的な検討や助言が充分なされた上で、秒速で意思決定が行われ、その決定は例え社長や取締役会でも株主でも覆すことができない不可逆性を持つものだと考えています。

そんな壮大な実験をはじめた、ある大阪の訪日外国人旅行会社「FREEPLUS(フリープラス)」社をご紹介します。

壮大な実験です。

2019年6月1日10時をもって、社員が社長と同じ権限を持ち、全てのことを社員自らが決定することを決定しました。

何かアイデアを思いついたメンバー、問題を見つけたメンバーが、何かをしたいと思ったときに、それに対して何かを決めるときの意思決定者は、その本人です。

承認行為は必要ではないのです。

出社時間も、自分の給与すら、自分で決定します。

その自己決定が会社意思決定として積み上がり、会社が前向きに進むこと、これを守るために、たった一つだけルールを定めています。

それは、「助言プロセス」を経ること、です。

そういうわけで、実際のこの会社の意思決定は、次のようにシンプルになります。

(1)何か意思決定したいことができた。

(2)その意思決定に関わる専門部署と、その意思決定によって影響を受ける他のメンバーに「助言」を求める。

(3)助言を求められたメンバーは、100%自己責任として躊躇なく「助言」を行う。

(4)助言を受けた上で、たとえ助言を受けた全員から心底反対されたとしても、自分で100%責任を持って決定する(承認不要、決定は0秒)。

全ての会社に関する意思決定を「自分」がすることができるようになるのです。

この会社の意思決定を「選択」するにあたってのプロセスは以上のようにシンプルですが、ここには、会社の存在意義とか「あるべき感」に沿って、多数決による全体意思ではなく会社の存在から引き出される一般意思であることを常に意識していなければなりません。

そのような会社の一般意思に沿って思考して動くことができる「社員」や「メンバー」には、会社の意思決定の全権を委ねると、この会社は決めたわけです。

そして、この意思決定は、他者が、たとえ代表取締役であっても、覆すことはできない、と決めたのです。

会社に関する意思決定を、全て、自分で、主体的に行うことができる、これは、裏を返せば、私心なく、自身の個人的な事情やエゴを全く超えたところとしての会社意思決定権限が与えられているということであり、ものすごく背筋が伸びる話であるとこの会社の従業員は直接筆者に語りました。

それはそうでしょう。

都合よく、物分かりの悪い上司や、硬直した組織自体のせいに無意識にしていた事柄が、全て、自らの意思決定として降りかかってくるからです。

結果に対しては、逃げずに、受け入れなければなりません。

誰かのせいにはできないのです。

ですので、意思決定においてはものすごく短期間に、必要かつ十分な「検討」を付して、助言プロセスを経て行うということになります。

助言を受けた側も、会社の意思決定に決定的な影響を与える事柄について、適当に返すわけにはいかず、勢い本気のアドバイスを送るようになります。

こうして、意思決定が究極までスムーズに行われ、かつ役職員全員の個人個人に当事者意識が芽生える、そんな組織が出来上がるというわけです。

会社に関する意思決定を、全て自分で行うためには、自分自身を超えた一般意思、すなわち会社存在の目的そのものに沿ったものにしなければなりません。

会社は、個人の欲求を満たすための単なる箱ではなく、会社自体に意味と意思を持たせ続ける、このような遠くて長い道のりなのです。

そうした大きな理念のもと、個別に勝手に好きに自由にやってください、というのが、同社須田健太郎社長の物言いです。

もう面白すぎて、紹介するのに紙面が足りませんが、今回はこのさわり程度に致します。

これで、同社は既存の上場プロセスで必要なコーポレートガバナンス体制というものから大きく外れましたが、これだけの意思決定機構を手に入れた同社にとって、上場より大切なものを明確に選んだだけのことなのでしょう。

(上場)株を一般投資家として買えないのだけは、残念ですが…。

それでは、ファミリー企業ならびに中小企業研究家を自認しております筆者からの配信記事は以上です。

(2019年6月21日 金曜日)

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