組織マネジメントの考え方を根底から覆すティール組織という考え方を1分で紹介します是非読んでください(2019/03/21)

おはようございます。

2019年3月の組織マネジメントの考え方を根底から覆すティール組織という考え方を簡単に読み込んだだけの自称ビルメン王筆者がさらに簡単にさわりだけ1分で紹介するという、非常に薄口の記事となっております。

簡単にさわりだけ要点を、と申しましても、これが結構難しいことでございまして、これだけ情報へのアクセスが簡単になったインターネット社会において、物事を調べていくという大海に身を投じるような行為を行う前に、そもそもどういった考えが今世間を賑わせているかについて、さわりだけでも知っておくだけでも、十分だと思うからであります。

そして、この問題は、中学生高校生大学生、そして20数年にも及ぶ社会人生活において、毎日、日々少しずつ本音で言うと疑問に思っていた点を、見事に言い当てているのではないかと思うのです。

ビジネス書や教育本の中でも、とりわけ種類が多いのが、組織マネジメントに関する分野でしょう。

どうやって組織を運営して、管理職(上司)はどのように部下に接し、部下は何を見て日々の業務に打ち込み集中し、全社の目標設定に従った成果を追求するか、そうしてどのように組織運営をすれば、より高い成果や業績が上がるのかといったことを、いろいろなモデルや考え方や実例を持って、解説したり紹介したりするたぐいのものです。

筆者も、結構読みました。

しかしながら、この分野で最近、明らかに他とは全く違う主張を行い、筆者もはたと膝を打つような書籍が出ました。

原題は、『Reinventing Organizations』といい、フレデリック・ラルー氏の著書です。

この邦訳版である『ティール組織』版が2018年1月に出版されるや、特に日本の読者で急速に話題になった本なのです。

この本で、言及されているのが、『ティール組織』という考え方です。

この「ティール(Teal)」という言葉は、単に「(クリアな)青緑色」の一種を表わす英単語であり、それ自体にさほどの意味はありません。

ただ、著者のラルーさんが言うには、組織モデルの進化の過程を、世界の支配階級構造や心理学のモデルよろしく下から上に5つに分類しており、それぞれをどぎつい赤色から清浄なクリアな緑色で表してみたわけです。

すなわち、
赤→琥珀色→オレンジ→緑と組織が進化していき、5番目にあたる最新型の組織モデルをクリアな緑の「ティール色」で表現したというわけです。

赤の組織は、圧倒的なトップのみが力を持ち、このトップすらも大して考察を行わず、衝動的に振る舞い、他のメンバー全体は目の前の利益を得ていくことのみ注力するように仕向けられた組織です。

これが、1ランク上がるごとに、実質的意思決定権者の数が増えていき、琥珀色では軍隊型組織、オレンジでは目標成果達成型組織(いわゆる現代の普通の組織ではこのレベルにあるのがほとんど)、そして緑においては、高次元のボトムアップ型組織、そう、例えて言えば現代のGoogleのような現場主義型相互作用型組織となり、そうして、その上を行く究極の組織形態として、ティール型組織が提唱されています。

ティール型組織については、メンバー全体(すでに「組織の力の源泉としての」経営職や管理職は意識されない)の人間的意思に従い、事業目的自体が進化し続けます。

メンバーの人間性は、組織において可変されることなく、人格的能力は全てその組織において「解放」されます。

解放された人間は、極めて柔軟かつ粘り強く、通り一遍の業務目標を超えた成果を達成するものです。

今、多くの企業や組織が採用しているマネジメントや組織のあり方は、著者のシラーさんに言わせると「達成型組織」として定義され、そして、「達成型組織」が高い業績や成果を生み出している一方で、大きな副作用を生んでいるという点が指摘されているのです。

それは、人間、生きていかなければならない、という働きかけで目標設定すると、どうしても、「恐れ」で何もできなくなる、何もしないままで疲弊してしまうということなのです。

会社に行きたくない、と会社に行く以前から疲弊してしまうことになるのです。

これは非常に社会的な損失です。

それから、組織の全体ミッションや役割や相互の肩書、上下関係というものを「覚えて」「押さえて」おかないといけない、という個々のメンバーの管理コストの増大により、実際の仕事を始めるまでのハードルがえらく高くなってしまい、一歩めの踏み出しやスモールスタートができなくなってしまうのです。

つまり、人は危機感で動かすことはできますが、その危機感だけでは単にヒトをプログラミングによって動かしたに過ぎず、真に本人たちが「心から納得した」状態には程遠いということなのです。

要するに、自分の全人格全能力のうち、仕事で必要とされているごく一部分だけを会社では(いびつに)発揮するように仕向け、それ以外の自分には蓋をして、活動させないことがよい、と推奨され続ければ、人間何らか歪んでしまうことは明らかでしょう。

これは、組織目的に「合致」して昇進したりした人にとっても同じであり、特に高い地位にある人が突然糸が切れたように、別の道に進んだり、求道者の道に入ったりすることをもって、それはその地位のプレッシャーに耐えられなくなったからだと解説することが多かったように思いますが、それは本来違って、その人なりが「本来の自分」に戻りたかっただけで、その態様が少し目立った「退任」「転任」といった形で出ただけではないかと思うのです。

かのスティーブ・ジョブズも、一度アップルを完全に追い出された時に、自分自身に戻ってもう一度覚醒した、といったことを述べておられます。

かのホリエモンこと堀江康文氏も、現在の立場で自由にものを言える方が、あきらかに彼の人間の幅が感じられ、否定的な人も肯定的な人も、明らかに彼の多面な才能や人間味に興味を持っているので、あれだけのメディア露出を含めた「需要」があるのだと思います。

組織の目標は、個々のメンバーのパワーを最大限発揮するという点です。

しかしながら、組織をうまく見せようとするばかりに、管理コストばかりが増大し、個々のメンバーは、いろいろやると怒られる、という「恐れ」によって体が固まってしまい、本来の能力をほとんど発揮できずに机に座っているのみ、というようなことに陥ってしまうのです。

日々の業務が恐れのみによって引き起こされて、生き残ることのみが至上命題として課され、具体的には売上の向上や利益の確保といったことのみに追い立てられるようになってしまうのです。

自分の一部残して会社に出てくるということは、毎日毎日そのたびごとに、自分の可能性や創造性、情熱の一部を切り離してくることを意味するわけで、多くの職場に生気がないと感じられるのもそのためだろう、と本書では喝破されています。

さらに、特に組織上「出世」した人ほど、会社の業績向上に「貢献」したものとして、会社での顔や着ているもの自体に「似てきて」しまい、いずれ「本当の自分」と似てもにつかない姿になってしまうことすらあるというわけです。

ここまで書いて、唐突に筆者(ビルメン王)が思ったのは、かの筆者個人の生き方バイブル「天」という漫画の最後の章で、尊厳死を選んだ主人公赤木しげるが、かつてのライバル「西の暴力団大組織の大幹部」原田克美に向かって言い放った

「お前は成功を積み過ぎた」
「金や家来をいくら持っていようと」
「みすぼらしい人生だ」
「生きてると言えるのか…?お前…」
「お前は、今ろくに生きてないっ…!」

という言葉です。

会社や組織で求められた自分の姿を、いつしか本来の自分と勘違いしてしまう、ということがないように、そんなことになれば、組織も個人も双方不幸です。

成功は、神社でもらうお守りのようなものではなく、今後の自由な自分自身を縛ってしまう重い面もあるというわけです。

以上、このような「一般の」「通常の」達成型組織において金科玉条として見られていることは、ことごとく社員やメンバーを、ともすれば経営者や債権者や株主すらも、思い切り疲弊させるだけであるものだということなのです。

おそらく、このような疲弊が取れた組織においては、メンバーは、実際いくら働いても、疲弊はせず心からの達成感と心地よい疲労感が残るような仕事ぶりになるでしょう。

「出世」しても、「管理職」として人の人生を曲げるような達成型マネジメントの先兵になることは避けられるでしょう。

現実の企業や組織の中で、こうした「ティール組織」と「達成型組織」の間のギャップをどのように埋めていくかということに本気で取り組む人々の「台頭」「蜂起」に期待しながら、本日は筆を置きたいと思います。

ぜひ、この『ティール組織』という書籍を手に取り、触れてみることをお勧めします。

本件については、これからも、繰り返し同じことを述べていくことになろうかと思いますが、取り急ぎ、本日の記事としては以上です。

(2019年3月21日 木曜日)

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