クレディ・スイスの信用不安

2008年リーマン・ショックの再来!?

2023年3月、シリコンバレーの中堅銀行があっという間に破綻したのを皮切りに、金融信用不安が世界中を覆いました。そして、すぐさまスイスの老舗プライベート・バンクのクレディ・スイスに飛び火しました。かの銀行は、SNS情報拡散による取り付け騒ぎで、急速な預金流出に見舞われています。そもそもこのスイスの銀行、2021年はアメリカの投資会社アルケゴスとの取引で6,300億円という断トツの大きな元気いっぱいの損失を出しました。アルケゴス事件では日本の野村証券も2,000億円程度の損失を出したし、みずほグループも損失があったと記憶しています。ここで、とっても不思議なのはクレディ・スイスも野村もみずほも自分たちで「勝手に」世界中の企業のレーティングを上げ下げ変更するぐらい詳しく世界各国の無数の銘柄を調査していて、特に日本の伝統的な企業や金融機関に対する評価はことのほか厳しいくせに、自己売買だけでなく、訳の分からぬ怪しいファンドにドカンと大量の顧客の大切な資金を預けて、そして取り返しのつかない損失をぶちかましているところです。バカなんでしょうか。

スイス中央銀行もスイス政府も主要産業である金融での信用不安をこれ以上高めたくないはずで、「スイスの銀行に預ければ(信用不安もなく、秘密保持がしっかりしているから)安心」が、世界中の超富裕層がスイスに口座を持つ理由な訳でして、ゴルゴ13の口座だってスイスのどこかしらの銀行口座にひっそり眠っているはずなのです。そんな秘密な金融機関が、これだけ世界中の耳目を集めるということは、もうそのブランドは毀損しているというわけで、こんな草ブログ記事に載るようになってしまったらお里が知れているというわけです。同業のUBSがクレディ・スイスの特定部門を買い取る可能性はありそうですが、全部丸抱えはなさそうです。わたしがUBSの株主だったらそんな丸抱えするようなことがあったら怒るし、よくても顧客名簿くらいしか興味がないので、それだけ持ち去ったら捨ててしまうのが関の山であり、うかうかしていたら他の米銀あたりのカネに任せた超大手のモルガン・スタンレーやらゴールドマン・サックスあたりのカネの亡者たちが、自分のところのシリコンバレーウェイウェイ銀行の破綻などには口を拭って、大いに空売り参戦してくることは間違いないでしょうから、弱り目に祟り目で、落しどころが難しいですね。かつて日本の長銀などでヤられた、あの外資どもの使ういつもの手です。

かつて、クレディ・スイスの在日代表なんて、高額所得者を発表していた頃はリストに乗る常連でした。金融の国スイスと名前がかっこよかったのか、そのリストを見たときは外資の金融機関ってすごのかなと思いましたけどね。結局、2008年のリーマンショックとおんなじで、その名門銀行が今は世界経済の足を引っ張ることになろうとは思いもよらなかったです。まあ実は単に経営が下手で頭が悪くて無駄に社員に給与を払う何の技術も思想も軸もない金融屋だったのですから、哀れみも悲しみもありませんが、せいぜい他国経済に迷惑かけない程度でやって下さい。ということで、2008年3月あたりに勃発した米国サブプライムローンをたんまり溜め込んだ米国のベア・スターンズ銀行がさっくり潰れて、そうして、魔の2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻に至る世界金融経済急降下があったわけですが、それから15年、まったく同じ動きが2023年に起こりそうだと予測しておきます。今回は、2023年3月のシリコンバレー銀行の破綻に端を発した世界同時金融危機により、金融市場として孤高を保っているけれどもその実とっても古臭いままの脆弱なままで温存されて行きたスイス当局規制下の、名門とは名ばかりのろくな経営もできていなかったただでかいだけの田舎銀行クレディ・スイスが2023年9月あたりに破綻して、世界金融経済市場が大混乱に陥る、といったストーリーを不穏当にも予測しておきます。

クレディ・スイスは、世界の大手銀行という位置づけではあっても、その実態は「ダークサイド」によって支えられているとも言えるのではないでしょうか。言い方を変えれば、銀行としての最低限のコンプライアンスの遵守よりも自らの利益を優先するという姿勢が破綻をきたしつつある根本原因と言っても過言ではないと思います。また、世間の記事の標題に「クレディ・スイスを支えきれるか」とありますが、スイス中央銀行が7兆円規模の支援をしたところで「焼け石に水」ではないでしょうか。いずれにしても、クレディ・スイスは、支援を要請するべく、これまで大いに馬鹿にしていた日本の金融機関とすら水面下で接触していると考えられますが、日本の伝統的動きの遅いと揶揄されていた金融機関としては、これ以上のお人好しは避けて、さらにお得意の意思決定の遅さを存分に発揮され、大いに、かの銀行らについては、市場の自然淘汰に任せるべきではないかと思います。それが、巨額の損失額を負担させられる事態を回避するという意味で最良の選択だと思います。

以上、正直、わたしはどうなるかわかっています。単純な話です。クレディ・スイスの規模の銀行が信用不安を起こして、EUに入っておらずユーロも使っていないスイスが支えられるか否かという話です。そんなの無理です。そもそもクレディ・スイスのようなやり方の金融機関が21世紀まで生き残れたことの方が奇跡みたいなものであって、遅かれ早かれだったと思いますよ。昭和のやり方で令和で生き残るのは無理です。もっといえば、スイスという国のあり方もね。永世中立の名の下、金が入れば後は出どころなんか問わないというようなダーティー、さもしい、卑しく下卑たことばっかりやり続け、ウクライナ戦争にあたっては世界の顰蹙を買いまくっているわけですからね。スイス単独ではクレディ・スイスを助けきれないし、EUにはクレディ・スイスを助ける仕組みもそのつもりすらありません。最大限穏当に申し上げて、分割してなるべく影響を少なくした上で、粛々と整理清算でしょうね。もちろん、世界経済にしばらく大きな影響、というか爪痕が残るでしょうが、長い目で見れば世界の市場はより健全化するし、ろくに評価されていなかった日本の地銀みたいなダサくて動きの遅いと言われた金融機関なんかが、実はけっこうまともで安心感がある、という再評価につながるのではないかとすら思っています。さあ、見せてもらいましょう。そして下がりきったところで買い漁りますか。これまでさんざんやられてきた外資の残滓を!!

以上