立憲民主党の凋落

もはや手遅れ

党も候補者も、どちらも刷新しなければ未来はないのは立憲民主党でしょう。千葉5区補選で立憲は、市川市長選に出馬した守屋貴子県議を擁立し、浦安市を地盤としてきた矢崎氏を応援に回すという案も検討されていたそうです。立憲の千葉県連幹部は「守屋氏のほうが自民党の強い市川市から票をもっと取って、勝ちきれたかもしれない」と語ったが、後悔先に立たずの結果となりました。もちろん、守屋さんでも厳しかったと思いますが。

そもそも、議員経験が豊かな男性候補が、議員経験のない女性候補に敗れるという状況ですが、これは当人の力量というより、党の方針が足を引っ張ったというところもあり、その党の方針と相まって苦杯をなめた、社民党党首まで務めた吉田忠智候補、初めて国政に挑戦した銀座のママ、白坂亜紀候補に敗れたこととも重なります。

こちらは千葉とは違い、革新王国で地盤も看板もあった大分で吉田氏が敗れたことは、僅差とは言え「勝たなければならないところで負けた」と党内のショックは大きいです。これで社民党の息の根は止まったでしょう。

立憲(と事実上消滅した社民党)は党と候補者のイメージの双方を刷新することが求められています。別に誰も求めていないのですが、求められているという書き方にしました。こうした中、最後の切り札として名前が挙がっているのが野田佳彦元首相です。追悼演説で名を上げた安定感抜群の野田さん。毎日辻立ちの野田さんは、わたしも大好きです。立憲関係者によると、その評判もあり、2022年参院選では各地から泉健太代表よりも応援演説依頼が殺到したという。

ただ、野田氏周辺は「党内のリベラル勢力を納得させて、党の方向性を一気に変えるほどの力がもう立憲には残っていない。野田氏の再登板には民主党政権で増税を主導したことへの反発も出てくるだろう」として、現実味は薄いと主張する。

そもそも、岡田克也幹事長は補選の大勢判明直後の記者会見で「代表が責任を取るという話ではない」と代表辞任を即座に否定し、泉代表も24日に「党運営の責任を果たしていきたい」と述べ、続投する意向を示している。しかし、このままの状態で衆院選を迎えれば「立憲の看板では戦えないと、割れて維新に行く勢力も党内から出てくるのではないか」(党関係者)という懸念も広がる。衆参5補選の結果を受けて、党をどのように立て直し、来るべき衆院選に備えるか。答えは見えないまま、解散の風音は日に日に強くなっています。自滅も時間の問題でしょう。