「能力」を高める前に「ニーズ」をつかめ

野球漫画「バトルスタディーズ」を読んで学んだ一番重要なことを説明します

おはようございます。

2020年3月の野球漫画から人生の教訓を学ぼうという意欲的な記事です。

野球漫画を、たとえばドカベンから今に至るまで、スポーツ人間ものの漫画を通じて人間がどのように社会に対して立ち向かって行こうかということを語るというものです。

「バトルスタディーズ」という、かつての甲子園常連高校、PL学園をモロにモチーフにした関西の泥臭さ満載の野球漫画が連載されておりまして、大好きです。

ハーゲンダッツより好きです。

泣けます。

ちなみに、関東には、高校野球においてもっとも激戦区と思われる、「西東京」地区予選に向かう、青道学園という私立の強豪高校を舞台に描かれる「ダイヤのA(エース)」という作品がありまして、筆者としては2020年2月現在においては、この2つが高校野球というものをもっとも端的に表しているものだと考えています。

もちろん、古典としましては、「ドカベン」「あぶさん」そして「キャプテン」「プレイボール」「やっらろうじゃん!」といった名作たちがあることは十分にわかっているのですが、この「バトルスタディーズ」について一段上の評価を現時点で与えているのは、画力や構成力やストーリーといった漫画としての秀逸さももちろんありますが、この作品の作者が、現役PL学園の野球部員として、レギュラーとして(ライト9番)、実際に夏の甲子園の舞台に立っている、という何にも代えがたい「リアル感」です。

つまり、甲子園に出るための血を吐くような練習に耐え、実際に夏の甲子園の土をPL学園のレギュラーとして踏んで試合に実際に出た者が、野球についての漫画を書いて、そして漫画家としてデビューした処女作、であるのがこの「バトルスタディーズ」なのです。

これだけで、ものすごいことだと思いませんか。

筆者は、高校生の時には山岳部で縦走登山という競技をやってインターハイを目指したり、夏には九州から北アルプスに向かい槍ヶ岳や奥穂高岳に朝2時に起きて日の出を見るために登るといった割と激しめの高校生活を過ごしましたが、その筆者から見ても、横の部室の「野球部」の部室は恐ろしい緊張感が漂っていました。

校門を超えるのが朝5時半、そこから準備運動して基礎練習、それからグラウンドを鏡のように整備して、午後の本格練習の準備をするという、授業中はタオルとほおに当てて寝てしまう、そんなあれだけ走ってあれだけ打っていた、それくらい、同級生としても引いてしまうくらいに野球の練習や遠征ばっかりしていたのが野球部だったのです。

高校のOBであった、亡くなった前オリックス監督、イチロー選手の師匠であった青木彬監督から贈られたというピッチングマシーンを磨きながら、それを使いバッティング練習をしていたのが、当時の同級生たちの野球部員でした。

先輩部員に廊下で出会ったら、帽子をとって最敬礼し挨拶するのが当たり前でした。

このような全国津々浦々の高校球児たちが、全力で目指したのが、甲子園の舞台です。

その甲子園における、春夏優勝記録の数々、そして通算80数人ものプロ野球選手を輩出したのが、PL学園であり、その最も典型的な光と影を味わったのが、この「バトルスタディーズ」の作者、「なきぼくろ」さんというわけです。どうです、この人、すごいでしょう。

PL学園野球部出身のプロ野球選手たち(Wikipediaより)

能力よりニーズ

さて、この「バトルスタディーズ」の中で筆者が注目したのは、この漫画に流れる「能力を磨く前にニーズをつかめ」という思想です。

能力を高めることは実は誰にでもできます。

しかしながら、その能力がどのように、環境や相手、市場のニーズに合致しているか否かを正確に測ること、その能力を「使って」もらえるかが本当に問われるのです。

筆者が昔応援していた少年野球チーム、要するに筆者の息子が所属していた野球チーム(かつて福岡市大会で優勝の経験あり!)のチームメイト(主将)が、中学で硬式野球のクラブチーム、そして高校で全寮制の野球部に進み、総部員1年2年で100名近くの過酷な競争の中、一桁の背番号を貰い、そうして春の甲子園出場を決めました。

今年の春の甲子園が行われるのか否か、新型コロナウィルス騒ぎでそれすら危ぶまれている中ですが、とにかく彼は夢を掴んだのです。

それは、そのチームメイトが、もともと野球が好きで、打てば打順は4番か3番、ポジションは先発ピッチャーという能力に恵まれていたということではなく、高校野球の世界に入れば、「そんな選手ばっかり」だったところからのまた横一線からのスタート、しかも小中学校に比べて、格段にレベルがアップした高校野球の世界で実際のプロ野球選手が使うホームグラウンドでの甲子園球場レベルのプレーレベルに達するのは容易ではありません。

ここで、この彼は、外形的かつ断片的な情報ですが、背番号4番、セカンド打順8番という、「渋い」ポジションでレギュラーを掴んでいたのです。

走者がいれば、とくに1塁にランナーがいるならば、右方向に打って進塁打とする、セカンドという非常に職人的な動きが要求される守備の要ではありながら、ショートと比べれば華は落ちる、そういった渋いポジションで、ホームランバッターや花形のポジション、さらにはピッチャーというこだわりのポジションも一旦捨てて、泥臭く、まさに、「チームのニーズ」に沿って自分の能力を開花させた、その執念を見たのです。

野球だけじゃなくてどこでも通用する考え方

能力を伸ばす前に、ニーズを満たせ、というのは、野球やスポーツの世界に限らず、仕事でも芸能でも通用する、鉄板のセオリーだと思うのです。

人はついつい、能力の絶対値で語ってしまうという良くない癖があります。

そうではなく、能力はとても大切ですが、まずは世の中に求められている「ニーズ」をかぎ分ける、そこに自分のやる気や時間を投入して成果を試す、という動きをとるようにしたほうが、自分も他人も幸せになるのではないか、という意欲的な説でありお話でありましたがいかがでしたでしょうか。

ニーズに対応できる自らのことをよく知っておけば、これからの自らの処し方についても知見が生まれるであろうと思います。

そのための、よりよく生きるための教育であり、研修であり、自己啓発であり趣味であろうと思います。

それでは、本日の記事は以上です。

また明日。

(2020年3月8日 日曜日)

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