黒田博樹選手

厳島神社の大鳥居

黒田博樹選手

おはようございます。

2016年12月の記事です。

2016年のプロ野球シーズン、セ・リーグのペナントを制したのは圧倒的な強さで他球団を突き放した広島でした。

実に92勝を積み上げ、四半世紀ぶり、25年ぶりのリーグ優勝に輝いたのです。

ここで、各選手の来年度2017年シーズンに向けた契約更改において、実に日本人選手の中で一億円プレイヤーを5人も登場させるなど、大幅な年俸アップを行っています。

堅実経営で知られる広島において、なぜこうした大盤振る舞いができるのか、それはもちろん広島が強くなって観客動員が増えているという点もありますが、何よりも、2016年シーズン限りで現役を引退した黒田投手の力によるものも大きいのです。

どういうことかと言いますと、具体的な数字を用いて説明しますが、球団も企業体ですから、売り上げによって成り立っています。

広島球団の2015年の売上高は、公表値によると前年と比べ19億5800万円増の148億3256万円、当期利益も1億8700万円増の7億6133万円だったわけですが、今年はそれを上回る観客動員数、優勝によるグッズ販売や放映権料の高騰により、増収は間違いないといわれているところです。

そして、球団経営にもっとも大切な「原価」である選手たちへの報酬、すなわち球団にとっての直接人件費については、売上高の15%程度に抑えるという経営方針だと伝わります。

そうすると、売上高の15%、すなわち30億円程度が選手年俸の総額上限ということになるのです。

ここで、2014年シーズン、2015年シーズン、メジャーリーグから凱旋帰国した黒田投手の年俸が効いてきます。

2015年にメジャーのオファー年俸20億円超を蹴って、実に5億円という「安値」で広島復帰を果たした黒田投手、2016年も年俸6億円でプレーしてくれました。

そして広島に25年振りのリーグ優勝、日本シリーズ進出という置き土産で現役を引退されました。

したがって、あえて申し上げますと、2017年の黒田投手の年俸は、6億円ダウンの0円ということになります。

この6億分を、他の貢献した選手に振り分けたという一面もあるのです。

こうして、2017年の選手の契約高合計は、約23億円程度になると見られますが、実は今回の契約更改における選手年俸の総額にそんなに変化は見られないということになるのです。

すなわち、黒田選手の6億円に、残念ながら結果を残せなかった選手の減俸分で、十分貢献した選手のアップ査定を賄い総額は変わらなかった、ということなのです。

このように、限られた財布で黒田投手にオファーを毎年続け、5億円という広島としては上限ぎりぎりの水準でメジャーからの帰国を勝ち取った広島球団の経営センスが光るということになります。

実に選手年俸総額の1/4を一選手に差し出す気概、これこそ禄高の半分を与えて島左近を召し抱えた石田三成の故事を彷彿とさせます。

それに見事応えた黒田投手、誠にあっぱれな活躍でした。

社会人になりたての頃、広島出身の広島ファンの指導担当の先輩とよく野球談議したことの懐かしい筆者からは以上です。

(平成28年12月21日 水曜日)

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