スポーツ界のパワハラの現状

Jリーグの事例

Jリーグサガン鳥栖・金明輝監督に暴力行為や暴言といったパワハラ常態化について、日本サッカー協会に告発文が届いたそうです。

サッカーJ1リーグに所属する、サガン鳥栖の金明輝(キム・ミョンヒ)監督(40)による選手・スタッフへの暴力行為や暴言、パワーハラスメント行為が常態化しているとして、調査を求める趣旨の告発文が日本サッカー協会に提出された模様です。

この件を報じているののは、スポーツ報知新聞ですが、J1クラブであるサガン鳥栖側が複数の暴力行為などを実際に把握しているにもかかわらず、告発者は調査が不十分だと指摘しているもようです。

そして、本件告発により、日本サッカー協会よりJリーグ側に要請があり、今後本件については、Jリーグ主導で実態解明と処分がなされる模様です。

告発文は匿名ですが、2021年8月、日本サッカー協会が設ける「暴力等根絶相談窓口」に書面で提出されたものです。

紙面5枚にわたり、金監督の暴力や暴言、パワーハラスメント行為がチーム内で常態化していると指摘しています。

なお、金監督は2021年6月27日の練習中、選手に対し「手で押さえながら足払いして転倒させた」として、同7月9日にクラブから3試合の指揮停止処分を受けました。

クラブは処分発表後の同26日に第三者委員会を設置し、トップチームの選手やスタッフ全員への聞き取り調査などを行い、2021年8月11日にホームページなどで「(金監督は)すでに不利益処分を受けており、さらなる処分は不要」などと発表していますが、この件についても、当該告発文では、一連のクラブの調査で金監督の別のパワハラ行為を訴える複数の証言があったにもかかわらず、クラブ側が公表せず、追加処分をしなかったと訴えている模様です。

金監督の指導については「選手を殴り、突き飛ばし、胸ぐらをつかみ、人格を否定する」と指摘。調査の際、選手らからの被害を訴える証言をあいまいにしたとし「クラブがSOSに耳を貸さず黙認している」、「サッカー選手を目指す子供たちの憧れとなるべきクラブが、パワハラに支配された組織になっている」などと記されています。

処分の対象となった一連の行為についても「足払い以上のものであった」、「氷山の一角に過ぎない」などと強調している。

この点について、Jリーグサガン鳥栖の福岡淳二郎社長は8月25日の、スポーツ報知の取材に「(暴力行為やパワハラの常態化について)私は知らない」と話し、また、第三者委員会の調査については「Jリーグにもしっかり報告した。(ほかの暴力行為などについては)聞いていない」などと述べています。

なお金監督は2012年に鳥栖の下部組織で指導者キャリアをスタートさせ、2019年5月に2度目のトップチームの監督に就任。

今季はJ1第27節を終えて13勝8分け6敗で5位につけています。

3試合の指揮停止処分が明けた8月11日には、クラブを通じて「大変なご迷惑をおかけしたことを深く反省しております。このような事が二度と起きないように努めて参ります」との談話を発表していますが、どうもこのままでは収まらない感じです。

◆金明輝(キム・ミョンヒ)1981年5月8日、兵庫・伊丹市出身。40歳。尼崎朝鮮初中級学校、初芝橋本高を経て2000年千葉に加入。甲府や富山などでDFとしてプレーし、11年に現役引退。12年から指導者に転身し、14~15年に鳥栖U―15、16~18年途中まで鳥栖U―18監督。18年途中にトップチーム監督に就任。一度は退任するが、19年途中から再び指揮を執る。J2通算37試合1得点。J1でのプレー経験はなし。186センチ、76キロ。

スポーツ報知より

Jリーグでも浄化の波が

絶対権力者である監督のパワハラについては、湘南、ヴェルディに続いてまた鳥栖に戻ってきました。

しかも、鳥栖は少し前に前の監督で同様な問題あったのに該当の問題以外を隠蔽したとすれば、2度目は再犯ですからより重い処分になるでしょう。

それよりも、そもそも球団社長の、社長は私は知らないといったセリフが、まさに他人事(ひとごと)のように聞こえるし責任ある立場の人間の発言ではないと思います。

スポーツ報知については、ここは文春と同じくジャーナリズムとして、十分かつ綿密な取材に基づく大量な情報を保有し裏を取ってから報じていると思われます。

かつて、湘南のパワハラについても、次々に続報を出し、サポーターや関係者から一旦は目の敵にされてたけど、結果全部真実だったという「功績」があります。

もちろん、現時点でシロかクロかの断定はできませんが、告発というのは十分な証拠を持ってきちんと共有してくれる媒体に流すものであり、そういった媒体への一定の信頼あってのものであるため、この傾向はよいものだと思っています。

湘南の監督のパワハラを暴いたのもスポーツ報知でして、当時はサポも他サポも信じてなくて、フリーライターや他の新聞社は監督擁護の記事を出し、世間は誤報だマスゴミだと騒いでたけど、Jリーグの生々しすぎる調査報告書ですべて真実と白日のもとにさらされました。

結局、資金力の無いクラブが他で燻ってる選手や若手を追い込みまくって最大限能力を出そうとする。

そうした暴力監督による表面上の躍進はもはや通用しない時代になったということでしょう。

普通の指導で他を凌駕する何かを開拓していただきたいというところです。

そもそも、この監督は、足払い事件だけに留まらず、柏戦でのボールデッドのときの振る舞いや、これまでの試合後インタビューでのVAR判定への発言など含めて
おしなべて全て「他者へのリスペクト」に欠ける、監督どうこう以前の人間性として非常に信用できない人物だと思っていますし、経営危機の鳥栖フロントとしては安価な報酬で結果を出してくれる監督なので重宝しているのかもしれませんが、その結果を出しているからパワハラや問題行動の免罪符とは、なり得ません。湘南同様に「貧すれば鈍する」という状態であるという事実をまず鳥栖フロントやサポーターが認識すべきです。