小論文テーマ

小論文テーマ
「今こそ大志を語れ」

必ず副題をつけてください。

副題
「少子化ストップ!世界人口が減り始める今世紀を生きる私が思うこと」

私が生まれた日本は、紀元前1世紀ごろ隣の大国、前漢に書かれた「漢書地理志」に初めて文字で紹介されていますが、この中の「夫れ楽浪海中に倭人有り。分れて百余国を為す。歳時を以て来り献見すと云う」の文、及び出土している同時期の環濠集落などの様子を見るに、日本列島は当時まさに百余国が入り乱れて争っていた戦国の世であり、それは応仁の乱後に出現した「元祖」戦国時代などはるかに凌駕した、それこそ血で血を争う、盟主なき戦いだったと思うのです。一方、戦乱続く中国全土を史上初めて統一した「秦」という国が出て、その王は、始皇帝と名乗りました。そして、秦(はた)という氏で日本列島にやってきた渡来人系の一族が、大和朝廷では大きな力をふるったという形跡もありまして、実際に秦さんという姓の方々も今の日本にたくさんおられること、また京都太秦(きょうとうずまさ)などという明らかに日本古来の名とは違った地名が残っていることを考えると、この秦という国が持ちえて他の国を併呑しきったパワーと勢い、はたまた人間社会の飽くなき拡大志向、成長志向に身震いがする気持ちです。
日本列島の諸国たちも、小国同士は合併連行し、そうして大きくなった国々同士でいつしか列島を二分する集まりになってきたと思います。すなわち、畿内(大和)勢力と出雲勢力・北九州(宗像)勢力ではなかったかと想像します。日本神話に出てくる天照御大神(アマテラス:女神)、月讀命(ツクヨミ:男女不明)、須佐之男命(スサノオ:男神)のうち、ツクヨミとスサノオについては、天照大御神(アマテラス)を祀る伊勢神宮をトップとする神宮の一派と別れて「大社」と呼ばれ、神話上もあまり本論扱いされずに消滅してしまいます。つまり、日本列島上で覇権を最後に争った、事実上天下取りの最終決戦において出雲王朝(ツクヨミ)や宗像王朝(スサノオ)は、畿内大和王朝(アマテラス)に敗れ、そうして彼らの神話ごと、畿内大和王朝は取り込んで、ここに日本列島の統一が完成したと思うのです。
その後、親魏倭王という印綬を授かる栄誉を受けた女王卑弥呼の時代や、白村江での敗戦を経て、ようやく奈良の平城京、京都の平安京という長く続く都を持つに至るのです。平安時代の日本列島の人口は、だいたい500万人程度という推計があります。この人口で、奈良の大仏をつくるとか、その前の前方後円墳を5千基以上も作るとか、私たちのご先祖様のやる気とパワーには圧倒されます。時代が下り、江戸時代という鎖国体制下での泰平の世において人口は3,000万人程度、そして、明治維新において一気に拡張した日本国の人口は、平洋戦争前夜においては9,000万人まで増えます。敗戦後、戦後のベビーブームと高度経済成長によって、2015年にピークアウトするまで、実に1億3,000万人まで人口を増やした日本の歩みは凄いものです。
日本は、2015年から明らかな人口減少の時代に入りましたが、今世紀中には、世界中の人口が減り続ける時代になると言われています。私は、ご先祖が営々と、その時代時代に一生懸命生き、まさに国際化の荒波や新知識の流入、そして戦争や紛争を経験しながら、それでも強くたくましく生きてきたあとを歴史という手段で学ぶことができます。人口減少社会という、人類がこれまで経験したことのない世の中を迎えるにあたり、自分ができること、人類社会全体にとってより幸せになるような技術や考え方を生み出すことができるように、またそうできなくても、そのように挑戦し続けられる体力と知能、そして何よりも深い人間性を身につけるために、今勉強できる環境に感謝して、大いに学んでいきたいと考えています。願わくば、緩やかに人口減少が収まり、そうして我が国の歴史もつつがなく続いていってもらうことを願います。