無農薬無肥料米(たごもり米)の話
無肥料無農薬栽培米という、がんばらない脱力系食材
おはようございます。
本日は、無肥料無農薬栽培米が届く嬉しい日です。
粘りのある折れない人生を、ということで、移動の多い離島の教育コンサルタント業の当社では、食材には気を使っています。
現場主義の我々や、自学自習で自らの夢に向かって取り組む塾生諸君には、元気のもとが必要です。
そんなみなさんに、無農薬無肥料栽培米を紹介したところ、じわじわファンが増えているので今日は改めてしつこくそのご紹介と、それでいて、この米づくりが、今までの有機野菜系「がんばる」系の田んぼや畑づくりとは対極にあるという話をしておきたいと思いまして重い筆を取りました。
今日も元気な筆者です。
さて行きましょう。
無農薬のみならず無肥料
私達は、自学自習という自ら行う自己啓発と行動に加えて、食とエネルギーの自給自足を目指すため、日々いろいろ取り組んでいるのですが、主食の米に関してはなかなか、無農薬はあっても無肥料まで行ったお米はなかったのです。しかし、ついに無農薬無肥料栽培米を手にすることができました。
この点、「販売単価の高い」野菜に関しては、無農薬無肥料栽培でできたものもだいぶ市場に出てきているようなのですが、正直、主食のお米については価格差をつけられなく(例えば、5kg2,000円でスーパーで手に入るお米を、10,000円の売価で出してもなかなか売れない)、どうしても無農薬無肥料栽培で作るお米が登場するハードルが高かったのです。
しかしながら、そんな奇跡的な無肥料無農薬のお米がついに手に入りました。正直、半信半疑で、この、たごもり米(たごもりさんが作っているから)、無農薬無肥料米を購入したのですが、全く水で研がずにそのまま炊いて、食しますと、あぁ、やっぱりこれよね、粘りが違うわ、となります。
このお米は、炊いてそのまま米オンリーで食べることができます(塩とか付ける必要なし)。
そのままサランラップにくるんでおにぎりにして持ち出して、行きの車の中で食べていますがもううまくて、すでに全部食べてしまいました。
それくらいおいしいです。ただ炊けたご飯を握るだけを、持って出るだけのおにぎり、食べてみたいと思いませんか?
で、驚きの安さ(笑)
さて、このたごもり米(一部で自学学習塾の塾長米とも呼ばれる)、高いと思った方には驚きでしょうが、スーパーで買うお米の2倍弱(送料含む)で手に入れることができます。
普通、「こだわりの有機野菜ィィ!」というようなものなら、野菜や果物ではなおさら、目が飛び出るほどの高単価で高品質を唄うでしょうが、この塾長米についてはそんなことはありません。市価の2倍弱です。え?どうして市価の2倍弱で栽培できてしまうのか?というところに、この米づくりの秘法がございますので説明します。
だって、農薬もまかないし、肥料も入れないからw
驚きの育成法があるのです。それは、肥料を入れないし農薬もまかない、すなわち、徹底して省力化された、手間をかけない農法なのです。
稲作という秘伝の技が、大陸から朝鮮半島を経て日本列島に伝わったのは縄文時代後期の西暦紀元前1000年頃だということがわかっているので、実に3,000年位の期間に渡って、我々は稲作というものに勤しんできたわけですけれども、その生産進化は一貫して、増加する人口をまかなうため「水田耕作地を広げる」「単位水田あたりの収穫高を多くする」という、単価✕数量の経済成長モデルと全く同じ歩みであったわけです。
こうして、日本中に耕作地を広げ、火山灰で覆われた濃尾平野や関東平野にも稲作文化を広げてきた我々のご先祖様は、ついに、奈良時代に成立した統一国家としての根幹であった公地公民制、班田収授の法である建前をあっさりと743年の「墾田永年私財法」なる究極の方便でぶっ壊し(筆者の感覚では現在の憲法第九条の解釈などこれに比べたら全く大したことありません)、そして私有財産制に目覚めた平安貴族たちはこぞって開墾競争にあけくれ、そうして全国に荘園という名の工作地が増えていくことになったのです。
その量的緩和、日銀の金融政策ではなくて水田の広がりと歩調を合わせるように、農産革命が置き、鋤や鍬といった土を深く掘り起こす技術の発展や馬、牛を利用した農法、肥料をまいて土の養分を増やすドーピング策などなど、土地単位面積あたりの生産量をバク上げする各種の魔法が施され、そうして、今の農法では、世界に冠たる、生産性の高い水田が日本中に広まったということなのです。
でも、これから人口が減るわけよ
しかしながら、これからの日本は、米食離れに加えて、もともとの総人口が長期に渡って減っていく人口減少のトレンドに入りました。
農林水産省が旗を振る減反政策により、せっかく耕した農地や水田も、生産できる活躍の場を失い、農業従事者の高齢化は待ったなしとなっております。
こうした中、本来の農業のやり方に戻り、肥料も農薬もまかないので、単位あたりの生産高は半分になるけれども、どうせ減反している田畑だから、2倍の作付け面積を使えばいいやん、と考えた先見性のある方々が、がんばらない農法ということで、古来から続く自然の土や環境を大事にする農法に戻して、そしてその結果生まれたのが塾長米じゃなかったたごもり米、というわけです。
たごもり米、通称たご米の輪を世界に広げよう
たごもり米は、いまのところ完全に農家側の趣味で作られている作品です。しかしながら、人口減少にあえぎ、減反政策で疲弊した日本の離島や限界集落を救う、がんばらない農法としてこれからきっとじわじわ注目されるのではないかと思っています。
みなさんも、古来より続く、古き良き米を、生産性効率性一辺倒によって生産された米に混じって、少しだけお試しいただけませんでしょうか。
これは、今の農薬漬け肥料まみれのお米はダメだ!なんていいたいわけでは決してなくて、生産性向上が至上命題であった、3000年にもわたる我々の稲作への取り組みの大きな分水嶺なのです。
そんな悠久の流れを感じながら食べるたごもり米、やっぱりお米はうまい。
日本人で本当に良かったと思う瞬間を皆で味わいたいと思っています。
今日も無駄に長くなりましたが記事は以上です。
それではよい1日を。